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2024.12.26

お客様は「商品説明」ではなく双方向の会話を求めている

お客様が商談で求めている4つの観点とは?

商談はFABE分析の観点でしよう

お客様は商談において双方向の会話でFABE分析の観点から商品の説明をしてくれる営業を求めています。そうすることで営業はお客様と信頼関係を構築しやすくなるでしょう。今回はFABE分析の観点で商談をする方法についてお伝えします。

商品の説明する際はFABE分析の観点で

商談でお客様に商品の説明をする際はFABE分析(Feature, Advantage, Benefit, Evidence)の観点で準備をしておくことが重要です。

FABE分析とは

  • Feature(特徴):一言で言うとどんな商品か?
  • Advantage(競合優位性):他社との違いは何か?
  • Benefit(便益):お客様がどう変わるのか?
  • Evidence(証拠):なぜそう言えるのか?

これを一方向のプレゼンテーションではなく、双方向の会話として展開できるようにしておくと商談の質が向上します。

Feature(特徴):一言で言うとどんな商品か?

商品の特徴を伝える際には、商談前に「もし一言で言うなら?」や「もし30秒で伝えるとしたら?」という問いに対する説明を準備しておくと良いでしょう。それにより簡潔に商品を訴求できるだけでなく、商談の最後に再度商品の特徴を強調しやすくなります。もし説明が30秒を超えるようであれば情報がまだ整理されていない可能性があるため、さらに説明を簡潔にする必要があります。

Advantage(競合優位性):他社との違いは何か?

競合優位性を説明する際には、注意が必要です。自分では自社の商品やサービスをユニークだと思っていても、お客様には「他社と同じ」と感じていることがあります。これを防ぐためには、コンペで勝って受注した際に必ず「他社との違いをどのように感じたか」をお客様の言葉で話していただき、それを明確に言語化しておくようにしましょう。それにより、その後の商談でより具体的に自社の商品やサービスの優位性を伝えられます。

Benefit(便益):お客様がどう変わるのか?

便益を伝える際には、お客様にどのように受け取られているかが重要です。接戦案件を受注した場合、「どのような課題を解決できると考えてご発注いただけたのでしょうか?」とヒアリングしましょう。また、「社内で当社の導入理由をどのように説明されましたか?」と聞いておくと、今後の商談に活かせる貴重な情報を得ることができます。

Evidence(証拠):なぜそう言えるのか?

証拠として最も有効なのは「導入事例」です。ただし、お客様からは「導入事例はベンダーに都合の良い情報を引き出したものだ」と思われがちです。そこで、一般的な導入事例に加えて「お客様との間であった裏エピソード(匿名でも可)」を用意しておくと、信頼感を高めることができます。

商談での説明は双方向の会話でしよう

ここまで述べた内容を一方的な説明ではなく、双方向の会話で伝えられるようにしておくことが重要です。

以前、弊社で「お客様1万人調査」を実施しました。その中で「あなたがこの営業担当者は知識が豊富で引き出しが多いと感じるのはどんなときですか」という設問がありました。

その中で、「取り扱い商品に関して質問をした際、的確な答えが返ってきたとき」という回答が50%以上を占めました。これはつまり、一方向のプレゼンテーションだけでは商品の魅力や特徴を十分に伝えることができず、お客様からの質問に的確に答える双方向のやり取りがあって初めて、「この営業担当者は知識が豊富で、引き出しが多い」と感じてもらえるということです。

次に多くの回答を得たのは、「取り扱い商品が当社の課題をどのように解決できるかを分かりやすく説明してくれたとき」で、こちらは約40%の回答が集まりました。

続いて、「取り扱い商品の他社導入事例を当社に合わせて説明してくれたとき」が3番目に多く、こちらも3分の1以上の回答が得られました。

そして、4番目に多かったのが「取り扱い商品について類似商品との違いを明快に説明してくれたとき」で、これも3分の1以上の回答が集まっています。

以上が上位4つの回答結果です。

まさにこの内容はFABE分析に直結しています。FABE分析のポイントを押さえつつ、双方向でのコミュニケーションを行うことがお客様が求める商品紹介のあり方に非常に近いと言えるでしょう。

お客様はFABE分析の観点での会話を求めている

ただ、この調査は商品紹介そのものについて聞いたわけではありません。続く選択肢についても紹介します。第5位は「取り扱い商品の機能や特徴について意外なお役立ち情報を教えてくれたとき」で、これは3分の1には届かなかったものの、4分の1程度の回答が集まりました。

第6位は「業界の最新トレンドに対して当社はどうすべきかを具体的に説明してくれたとき」、第7位は「業界の最新トレンドがどのように動いているかを客観的に詳しく教えてくれたとき」、そして第8位が「取り扱い商品の他社導入事例を次々に紹介してくれたとき」という結果でした。

ここで注目すべきは、業界の最新トレンドに関する回答の順位がそれほど高くないという点です。現在、AIやDXなどの新しいトレンドが急速に進展していますが、トレンドに関するセミナーや情報は多く存在しており、営業としてもそれをウォッチしておくべきだと考えている方は多いでしょう。

もちろん、自分なりに情報をキャッチアップし、トレンドを自分の言葉で説明できるようになることは重要です。しかし、上述した「お客様1万人調査」の結果からはトレンドは競争優位のポイントにはなりづらいことがわかります。それよりも、お客様にフィットした説明をFABE分析の観点ですることの方がお客様が求めることにより適合しているのです。

決してお客様が業界の最新トレンドを求めていないというわけではありません。しかし、お客様としてはそれよりも自分が質問したことに対して的確な答えが返ってくるかどうか、そしてFABE分析の観点からしっかりと商品が説明されるかどうかの方がより重要視されているということです。

「書くロールプレイ」で説明力を鍛えよう

よく「お客様にカスタマイズした伝え方が難しい」といった声を聞きます。サービス紹介や説明資料に書いてある内容をそのまま読み上げるように話すことの方が楽なのです。もちろん資料を読み上げることが絶対にNGだとは言いませんが、読み上げるだけの説明だとお客様は「紙を置いていってくれればそれで済むのではないか」と感じてしまう可能性があります。資料を読み上げるだけであれば資料があれば十分で、営業がわざわざいる意味がなくなってしまうのです。

そのため、営業としては紹介する商品について多角的に説明できるように準備をしておくことが重要です。「一言で言うとこういう商品です」「他社との違いはこれです」「お客様がこう変わります」「根拠としてはこれが挙げられます」といったさまざまな角度から話せるようにする必要があります。

そこでおすすめのトレーニング方法は、「書くロールプレイ」です。口頭でそれっぽく返答することは多くの人が得意です。しかし、例えば「他社との違いは?」と聞かれたときに、何となくそれっぽく答えられたとしても、そのやり取りを全て文字起こししてみると、説明として全く成り立っていないことがよくあります。だからこそ、「書くロールプレイ」で明確に説明できる力をつけることが重要です。

「書くロールプレイ」のやり方としては、まずお題を設定し、それに対して大体7分程度の制限時間で300字以上を書き上げることから始めるのが良いでしょう。「他社との違いは?」や「お客様はどう変わるのか?」といったテーマに対して詳細に説明するのは意外と難しいものですので、「書くロールプレイ」を通じてぜひトレーニングをしてみてください。

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