「圧力」に圧倒されそうになったら
今回は「経営者と商談をするときのポイント」についてお伝えします。
特に、会社勤めの方で経営者に対して商談を行うのが気後れしてしまう、という方に読んでいただくとよいでしょう。
まず、若手営業の課題として現場の方との話はできても経営者との商談が難しい、という声をよく耳にします。
経営者の思考が理解できず、その場の圧力に押されてしまう方もいらっしゃるでしょう。対面での商談が特に難しいと感じる方も多いようです。相手のプレッシャーが強かったり、自分の話に興味を持ってもらえない感じがすることもあるでしょう。商談の場をうまくコントロールできず、思い通りに話を進められないという悩みを抱えている方もいるかもしれません。
ここで重要なのが、以下の4つのポイントを押さえることです。
経営者との商談における4つのポイント
- ①情報収集力
- ②翻訳する力
- ③コンテンツのラインナップ
- ④伝え方
これらを順番に見ていきましょう。
まずは「経営者の世界」を理解しよう
①情報収集力
1つ目は、「情報収集力」です。
まずは経営者が日常的にどんな情報に触れているのかを理解する必要があります。相手と自分の情報収集が重なる部分を見つけることが大切です。今では経営者に特化した様々な情報源が豊富に存在します。書籍はもちろん、セミナーやウェビナー、経営者向けに情報を発信されている方もいます。このような情報は、今日ではインターネットを通じて容易にアクセス可能です。特に、5年前や10年前と比較すると情報収集は格段に簡単になっています。
②翻訳する力
2つ目は、「翻訳する力」です。
これは端的に言うと、「経営者の世界観を理解する」ということです。どうしても会社の中枢に関わっている人に情報は集まりますし、権限も集中します。若手の営業だと会話が噛み合わないこともあるでしょう。
しかし、事業というのは経営者単体で仕事が成り立っているわけではありません。会社には経営者と現場との間に立って橋渡しをしている人が必ずいるはずです。まずはその方にしっかりと話を聞いて経営者の世界観やものの見方を理解することが重要です。
経営者と現場の橋渡しをする役割の方は企業にとって非常に重要な存在です。彼らは経営者の意見や視点を理解し、会社を成長させるための情報収集に絶えず励んでいます。
③コンテンツのラインナップ
3つ目は「コンテンツのラインナップ」です。
様々な情報を収集して目が肥えているお客様に対しては、単なる商品紹介だけでは関心を引きつけることが難しいこともあります。そのため、1つ1つの情報をきちんと精査した上で、お客様の関心を引きつけるような情報を提示する必要があります。
④伝え方
4つ目は「伝え方」です。
当社代表の高橋は15年前のあるプレゼンテーションで、部長の方がいらっしゃる中、手持ちの資料を最初から最後まで熱弁しました。しかし、それが全く響かず、失敗に終わりました。そしてある時から、資料は用意しても全部は使わないというスタイルに切り替えました。今でも、資料があっても、最初から最後まで説明することはしていません。
商談ではお客様の興味や反応に合わせて話を進めることが求められます。相手に合わせて進行を臨機応変に変えることが重要です。
経営者向けのセミナーに参加してみよう
今から10年近く前、高橋が参加したある経営者向けセミナーの懇親会で、ひとり会社員の方が参加されていて、経営者の方たちに囲まれる場面がありました。基本的にそのセミナーは経営者向けの内容だったのですが、参加された経営者の方たちは「経営者向けのセミナーにわざわざ参加してくる会社員の方って、どんな人なんだろう?」と興味津々でした。
高橋は10年近く前、大企業の役員クラスの方たちが参加する研修にも参加していました。高橋以外は全員企業派遣で、年齢が20歳以上も上の方が多かったのです。中には60歳ぐらいの方もおり、「君は私の息子みたいだね」と言われたりもしたようです。高橋はその方たちにかわいがっていただき、様々な学びを得ることができたと言います。
初対面の方との会話が難しいと感じる方は、まずは勇気を持って飛び込むことが大切です。飛び込むことは勇気がいるように感じるかもしれませんが、実際には新しいチャンスや素晴らしいものが待っていることが多いです。
最後に、時間が限られている中で忙しいお客様と話す際の重要な要素として、自分の準備した資料やシナリオから外れても、その場をうまく取り回せる能力の必要性についてお伝えします。
この能力は社外のお客様だけでなく、社内でのやりとりにおいても必要であると感じています。組織で働いている若手の営業が、上層部の方としっかりとやり取りできることが重要です。日常の上司とのやり取りがうまくできると、経営者の方と商談をする力にも繋がるでしょう。