聞きたいことがいっぱいある一方で、お客様が親切に教えてくださるわけでないという場合があります。
しかし、一方的にこちらが喋るだけでは大事なことが聞けないので悩ましいものです。 こんな時、どのようにヒアリングを進めていけばいいかを解説します。
質問と価値訴求力を程よくミックスさせてバランスを取る
1つの商談の中でのバランスと、複数の商談の中でのバランスとを分けて考えます。 一つの商談の中でのバランスは、質問から価値訴求への切り替えと、価値訴求から質問への切り替えの2つがあります。
複数の商談の中で、質問中心の商談をしたら、次回の商談では価値訴求中心にします。 あるいは価値訴求中心の商談をしたら、次回はヒアリングをさせていただくなど、アレンジするといいでしょう。
相手にとっても心地よく感じられるように商談をハンドリングできると、ガードが硬い状態のお客様との商談を進めやすくなるのではないかと思います。 例を挙げると、質問力の発揮と価値訴求力の発揮は繋がっています。 これは質問から価値訴求力へ切り替えるパターンは、相手からお伺いしたことに対して、すかさずそれに適した価値訴求をします。
質問から価値訴求に切り替える
自著「無敗営業」でも書いたように、価値には労務提供・共感・情報提供・プラスアルファの提言の4つがあります。 まず、お客様から「タスクが大変だ、負担が大きい」という情報を得たら、「お手伝いします」と労務提供をします。 次に、お客様が周囲から理解されていない不満を持っていることがわかったら「すごくよくわかります」と共感します。
そして良い情報を探しているとわかったら、「ぴったりの情報がありますよ」と働きかけます。 さらに、お客様と話してるうちに「もしかすると、ちょっとこのお客様の今の状態っていうのは、現状のことでいっぱいいっぱいなってるんじゃないか」と気づくことがあります。 もしかしたらある限られたところ見ているけれど、それより開かれたところに目がいってないのかもしれないと思ったら、気づきを促すようなプラスアルファの提言をします。 これが価値訴求の流れです。
以上は質問から価値訴求に切り替えるパターンです。 価値訴求から質問に行くときも同様で、お客様の反応を見てある程度良好な反応だとなったら「ちょっと聞かせていただきたいんですけど」と、質問に入りましょう。
ガードの固いお客様には、価値訴求から質問の流れが効果的
ガードの固いお客様になると後者の価値訴求力から質問の方が大きくなるでしょう。 価値訴求から質問という流れは、4パターンの活動期の役立ちからまず入り、質問してもよさそうだとなったところで、途中から質問に転換します。
質問しても回答が硬いお客様がいらっしゃったときに、そのまま質問をするとなると、よっぽど巧みな枕詞を使ったり、あるいは相手が答えたいと思うような興奮期やオーラをかもし出した質問をしたりといった工夫が必要です。 ガードが固いと気づいたらすかさず価値訴求に切り替え、相手の反応が良好になったところで質問させていただく。 この切り替えができるかどうかがポイントになるのではないかと思います。