上申や単独稟議の案件で「最終決定予定日」しか確認していないと、取りこぼしの失注が増えます。そうならないためにも、最終決定予定日をはじめ、以下の4つの日程を押さえておきましょう。
①最終決定予定日(会議or個別上申)
②最終決定の前に合意を取るべき人物と担当者がやり取りされる日
③必要な資料がFIXされる日
④その資料について当社と相談する日
スケジュールを確認すると受注率が上がる
稟議系の案件で否決/保留されるケースのほとんどは
●スケジュールや段取りの確認不足
●そこまでの関係がお客様と築けていない
に帰着します。そこで、「意思決定のスケジュールをお客様に確認して」とマネジャーが指示を出しても、「今月中に決まるそうです」「了解」の会話で終わってしまうことが多い傾向にあります。
「最終的に決まるはずの日付に向けて、どんなプロセスが踏まれるべきか」を逆算して、当社とのミーティングまで落とし込めるかどうかが重要です。その中では
②最終決定の前に合意を取るべき人物と担当者がやり取りされる日
③必要な資料がFIXされる日
特にこれらをお客様と確認できていれば受注率が上がります。
お客様との間に共同関係を作る
②③を聞くためには「営業⇔お客様」の構造ではなく、「一緒に考える」という関係になっているかが鍵になります。お客様と共同で企画書を作るイメージです。私が、正式稟議に必要となる段階までは提案書に表紙をつけないのをすすめるのもこれが理由です。資料から表紙を外すほど受注率が上がりますからね。
まだ関係を築けていない場合の質問方法
そこまでの関係を築く前に稟議の日程が迫っているときは、質問力で勝負せざるを得ません。「最終決定の前に合意を取るべき人物と担当者がやり取りされる日」を確認したいときは「本件で、取締役会の前に事業部長とお話されると思うのですが、それは来週のどこかですか?」のように、まず限定質問をしていきましょう。
クローズドクエスチョンを重ねる
日程について「XXXされる日はいつですか?」とオープンクエスチョンで聞くと、はぐらかされたり、曖昧な答えが返ってくることが多くなってしまいます。そこで、一旦クローズドクエスチョンで聞いて、返ってきた答えに対してさらに狭める形で質問すると、日付を特定しやすくなります。予算や競合の提示価格を聞くときも同じ要領でしてみるといいでしょう。