お客様の心が動くポイントは、たいてい、営業が自分で予想しているところとは違っています。
●受注をいただけたとき
●キーパーソンとのアポをいただけたとき
●プレゼンが響いたとき
●他社より優先して詳しい情報を教えていただけたとき
こういったタイミングで「どこで心が動いたのか?」を検証するか否かで、天地の差が生まれるのです。
「決定的に心が動いた瞬間」を聞く
受注をいただけたときは、「接戦の決定場面を問う質問」をしましょう。多くの営業は「なぜ発注をいただけたのか」の理由を聞いて終わりにしてしまいます。ここで、「決定的に心が動いた瞬間」についての情報をもらっておくと、今後の営業活動において大事なヒントを得ることができます。聞かないのはもったいないことです。
理由を聞いてから場面を深掘る
嬉しい瞬間が起こったら、お客様に「何が心を動かしたのか」聞きましょう。質問の順番は「理由⇒場面」です。
例えば、他社には言っていないであろう情報を当社だけにいただけたとき、まずは「なぜ、当社には特別にこういったことを教えていただけたのでしょうか?」と理由を伺います。お客様の答えが「御社は、単にサービス提案だけでなく、会社目線で大事なことを提言してくれるので……」のように返ってきたら、そこで「そうおっしゃっていただけるのは嬉しいです。今後、さらにお役立ちできるように伺いたいのですが、特にそれを感じられた場面は、最近ではいつでしたか?」と深掘りしてみます。
また、なかなか会えなさそうな役員アポを先方が設定くださったときについては、「ご期待にそえるよう伺っておきたく、取締役の●●様とのアポを設定されるのは大変だったと思うのですが、なぜ、当社にこういった機会をくださったのですか?」と理由から入り、返ってきた答えに対して「場面」を聞きます。
お客様の心が動いた瞬間を聞いてみると「そこが響いたのか!」という意外な発見が多いものです。これを積み重ねていくと、お客様の心理をより深く理解できます。
大事なのは「お客様の心が動いたポイントは、事後的にしか確認できない」ということです。答えは相手が持っていますが、相手から教えてくれるわけではありません。必ずこちらから聞き出すのを忘れないようにしましょう。