相手の話をさっとロジカルに図解できたら、意思疎通がとてもスムーズになります。 しかし「図解にするコツ」がうまくつかめない人もいます。 そんな人におすすめしたいポイントが3つあります。
(1)図解のパターンを知る
(2)パターン同士の関係を知る
(3)パターンにうまく当てはめられないときの対処法を知る
まず、単純で作りやすいのは「比較」「変化」「プロセス」の3つ。 最初はこの3つに当てはまらないか考えてみましょう。 次に、軸が見えたら、田んぼの田の字の「ポジション」か、縦横の「マトリクス」を検討します。 最終手段は「列挙」。 この流れを知っておくだけでも、図解にする糸口はだいぶ掴みやすくなります。
(1)比較(A⇔B)
何かと何かが「比較、対立、GoodとBad」になっていることを発見するのは、わりとやりやすいもの。 なぜなら、世の中は対立構造に溢れているからです。 比較で図解しようとした時、もう一つの軸が見つかれば「マトリクス」、比較軸が定量表現か○×(or有無)になっていれば田んぼの田の字の「ポジション」を検討しましょう。
(2)変化(A→B)
何かと何かが「変化、影響、Before→After 」という関係になっている場合を指します。 「AからBに」も発見しやすい構造です。 変化で図解しようとしてもう一つの軸が見つかれば「マトリクス」、A→Bが、さらに「A→B→C(→D→…)」となり得るなら、それは「プロセス」になる可能性があります。
(3)プロセス(A→B→C)
複数の要素が「プロセス、手順、流れ」になっている場合を指します。 プロセス(A→B→C)を一つの軸としたときに、もう1つの別軸が成り立つなら「マトリクス」ができます。
プロセス(A→B→C)が、さらに続いてC→Aのように、「最初に戻る」ような場合は、「循環」になります。
(4)ポジション(ABCD)
「大小、強弱、高低、○×、有無」がいくつかあったら、田んぼの田の字を検討しましょう。 片方の軸が「 大小、強弱、○×、etc.」とは違った定性的なもので表現できるなら「マトリクス」になります。 2軸できれいに表現しきれず、片方の軸だけが見えるときは、1軸で「比較」に収めておくといいですね。
(5)マトリクス(ABC/XYZ)
いくつかの要素があり(A,B,C)、各構成要素について、それぞれさらに語れる観点(X,Y,Z)がある場合を指します。 片方の軸に何らかの意味があるときは、「比較」「変化」「プロセス」とのかけあわせです。 2軸できれいに表現しきれず、片方の軸だけが見えるときは「列挙」になります。
(6)列挙(A,B,C)
少々強引ですが、これも「図解のうちの1つ」と考えておいた方が、最終手段があることによって、図解スキルが上がります。 キーワードがいくつか見えてきたら、「キーワード+詳細」にするといいでしょう。 キーワードを並べてみて、もう一つの軸が見えてきたら、それは「マトリクス」になる可能性があります。
あまり使用頻度は高くありませんが、知っておくと便利な図解6パターンです。
これらまで覚えると大変なので、前述の6つを基本として使いこなすことをおすすめします。
ここで重要なのが「どうしてもきれいに図解しきれないとき」の補助手段です。
「矢印」「吹き出し」「中カッコ」の3つがあると、うまく整理しきれないときに情報を書き加えておくことができます。 商談や打合せ中にスピーディに図解することが求められるときは、この「補助手段」を積極的に使いましょう。
さらに、図解力が上がると、「情報を整理する力」が格段に上がります。 図解でなくとも、テキストでわかりやすく構造を表現できるとメリットがあります。
同じ情報を見て、図解でも描けるしテキストでも書けるときは、「頭の中がすっきりと整理されている」状態です。
「図解」の話を書いたきっかけは、営業が強くて有名な某社のハイパフォーマーと話していて、「最後はホワイトボードでクロージングする」という台詞があったからです。 図解力は「気持ちの良い合意を作る」上でとても重要なスキルだと思います。 実際、私も商談や提案においては図解をとてもよく使っています。 みなさんもぜひ使ってみてください。