「営業の肝はお客様との関係構築」と言われるものの、具体的にどうステップを踏んでいけば良いのでしょうか。
実際にこのことで悩む若手営業からの相談をよく受けます。 大半の営業は「関係が築ける=何でも話していただける」と捉えがちですが、それだけでは受注に結びつきにくいのが現実です。 実際には、「何でも話していただける状態」の次の3歩が重要になります。
1.信頼の獲得
多くの接触回数を経て、お役立ちを繰り返すと「ある程度の悩みを聞かせていただける状態」まで行くことができます。 いわば「信頼の獲得」をした状態です。
2.課題の明確化
信頼を獲得した次のステップは、課題の明確化。いきなり提案しても「なぜそれがうちに必要?」となり、壁を突破できません。 お客様と一緒に議論して、課題を整理することで先に進められるようになります。 課題が明確化されたらすぐ提案しがちですが、「お客様にとっての重要度・緊急度」が低い状態では「今じゃない」と否決されやすくなります。
3.お客様との協業
そこで重要なのが「お客様との協業」です。 営業だけ頑張るのではなく、上司や現場にヒアリングしていただいたりなど、お客様側にも「ちょっとだけ」汗をかいていただくと、協業モードへ移ることができます。
仮に他社と相見積もりを取られていても、協業モードが進んでいけば、他社が自動的に落ちていきます。
多くの営業は「提案や見積(価格)で差をつけよう」と頑張りがちです。 しかし、この「協業モードで頑張る」やり方を身につけると、提案書作成工数や無駄な値引きを減らし、コンペの勝率も上げることができます。 最優先候補になるまで「協業モード」を深めていくと、内諾までスムーズにいきやすくなります。
よく「不信→不要→不適→不急の突破」といわれますが、この順序で最後に「不急の突破」を残しておくと「今じゃない」失注が増えます。 協業モードの技術を上げ、早めに「不急」の種を解消しておくことが鍵となります。