新年など「●●のご挨拶まわり」という名目でお客様と会う機会を作っていた営業にとって、コロナ禍ではその手段が使いづらくなっています。
アポ数が伸び悩んでいる営業におすすめしたいのは、過去にアポをいただけたお客様へ「決定場面を問う質問」をぶつけることです。決定場面を振り返るのは、受注や失注の直後ばかりではありません。
アポが取れたお客様に対し質問をしてみる
ド新規のアポを増やそうとしてうまくいかない営業にとって、アポがとれないうちは、どこでつまずいているかわからないものです。そもそも情報を見てもらえていないのか、見てもらえているがスルーなのか、あるいは存在を忘れられているのか……。
そこで、「既に関係ができている、過去に会っていただけたお客様」に注目し、質問をしてみましょう。
「他の営業からも色々とアプローチがあったとおもうのですが、なぜ、弊社(私)と会っていただけたのでしょうか」
このレベルの質問であればお客様にしている営業も多いです。
そこで私がおすすめするのは、そこから一歩踏み込んで
「”会ってみようかな”と心が動いたのはどの瞬間ですか?」
とお客様に尋ねてみることです。なぜなら、理由ではなく「場面」に関する客観情報を聞いてみると、そこに発見があるからです。
例えば当社の場合、2020年の5〜6月にこれを集中的にやったとき、「twitterで見ていて、何か気になっていたんです」という回答がちらほらありました。
実は、私は2020年の4月までtwitterは10年近く休眠状態で、再開したのは5月GW明けからでした。
コロナで売上が飛んでしまった危機意識から、何か情報発信しないと…と、連休明けに恐る恐る再開したところ、アポをくださったお客様の台詞に「twitterで見て」というのが数件ありました。これは力を入れる価値があると思い頑張り始めてみると、5月時点での2500フォロワーから半年ほどで1万に増えました。
そのため、私の会社では、お客様の言葉をもとに「どこかで情報を見かけて、記憶に残っている状態」を作るために全力集中し、出し惜しみせずにどんどん公開する方針に早く踏み切りました。ウェビナーの感想では「ここまで具体的な情報を出しているのは見たことがありません」という感想がいちばん多かったように思います。
まずお客様の心の動きを掴む
施策に正解はありません。ただ、「会うかどうかちょっと迷ったけれど、会おうと思った」というお客様の台詞には真実があります。
「どの瞬間に心が動いたのか」の台詞を集めていけば、「そうか、ここに照準を当てればいいのか」と、思い切った行動や意思決定がしやすくなります。
「決定場面についてお客様に聞く」→「仮説を立てる」→「やってみて確かめる」のサイクルを回していくと、徐々に勝ちパターンの完成度を上げていくことができます。
4つの角の1つ目である「勝ちパターン」ができたら、次は活動のプロセスを見える化していきましょう。