若手の営業が「沈黙が怖いから、ついしゃべりすぎてしまう」と悩んでいることがよくあります。そんな若手へ「沈黙を怖がるな」「一方的にしゃべりすぎるな」のように、”禁止”によるアプローチをしてもうまくいかないものです。対応策としては、「物理的な制約条件」をうまく設定するのがポイントです。
なぜ”禁止”ではダメなのか
人は、”禁止”をされたからといって、明確なペナルティがなければ行動が変わりません。また仮にペナルティがあったとしても、罰による行動変容は一過性に終わってしまいます。そして、「適度な間」や「適切な”話す”と”聞く”の割合」といったものは、感覚的な要素をはらんでいるので指導が難しいですよね。
本人の「やっているつもり」と「客観的な状態やレベル」にはギャップがあり、メンバーを指導するうえで「意識」や「感覚」の部分にまで深く入っていって癖を矯正するのはかなり難しいことです。そこでおすすめなのは、「一定レベルに達するまでは、物理的な制約条件を設定する」という方法です。
物理的な制約条件の例
(1)提案資料は●枚まで
(2)資料の中に「御社にお伺いしたいこと」のような、質問の箇条書きスライドを入れる
(3)アジェンダに「当社からの説明(5分)」「御社からのヒアリング(15分」などと時間を入れる
(4)一方的に話して●分経ったら、横にいる上司が介入すると決めておく
制約条件で若手がやりやすくなる
しゃべりすぎてしまう営業は、「沈黙の時間があると、お客様を不快にさせてしまうのでは」と「よかれと思って」やっていることが多いのです。
「制約条件」というと、マイナスな印象を抱く方もいるかもしれませんが、ルールや制約条件は「使いよう」で、道を踏み外さないように設けてあげることによって、メンバーがやりやすくなることもあるのです。レベルが上がってきたら、制約条件を外して自由にやってもらうやり方に変えてみてくださいね。