2024.06.05

提案ロジックの精度を上げるには?

営業の提案には、よく「御社の課題はXXと伺っております。その課題を解決するために、●●をご提案します」というロジックが使われます。しかし、これだけでは”説得力”に欠けることがあります。

提案を「採用すべきだ」とお客様が認識するために、説得力を上げるための引き出しは多いほうがいいに決まっています。今回は、提案ロジックの精度を上げるポイントを7つ解説してみたいと思います。

提案ロジックの精度を上げる7つのポイント

①要件整理

②費用対効果

③なぜ今なのか

④なぜ当社なのか

⑤理念やビジョンとの一致

⑥数多くの選択肢から吟味

⑦なぜ御社か

①要件整理

まずは「要件整理」です。お客様のご要望やお悩みをキーワード化し、「網羅感」「具体化」「優先順位」3つの観点からすり合わせます。そして、今回の提案がフィットしていることをブレイクダウンして伝えていく方法です。このやり方は、再現性も高く、トレーニングで身につけやすいのでおすすめです。

②費用対効果

お客様は「他社に比べた安さ」よりも「費用対効果の納得感」に反応します。これは、定量的に算出することもあれば、定性的に表現できることもありますね(例:人を一人雇うのに比べたら安上がり)。ポイントは「どんなものの見方で考えていただきたいか」を、営業側からしっかりと提示することです。

③なぜ今なのか

「このタイミングを捉えることのメリット」「今の時期を逃すことの機会損失」「なるべく早くから始めることのメリット」いずれかの観点から”時”について語る方法です。これは、お客様の事業や組織について、深く情報を仕入れておかないとピントがずれてしまいます。営業都合にならないよう注意が必要です。

④なぜ当社なのか

他社と比べた優位性、強み、差別化のことです。これは、自社側の目線でなく、過去の「接戦コンペで受注したときのお客様の台詞」から持ってくることが重要です。「他社と悩んだ末に、当社を選んだ」お客様には、他社との違いがどう感じられていたでしょうか?深くヒアリングし、未来の提案に活かしていきましょう。

⑤理念やビジョンとの一致

お客様の経営理念やビジョンなど、抽象的な言葉の裏側には、経営者の濃厚な”想い”が詰まっています。それをきちんと汲み取り、お客様が経営理念やビジョンを実現するための手段として、当社の提案が相応しいのだということを、想いへの共感だけでなく、ロジカルに示しましょう。

⑥数多くの選択肢から吟味

伺ったニーズや課題に対して、どうしたらそれを解決できるかを提示する方法です。いくつもの選択肢を検討し、あれもこれも考え、かなり多岐にわたるアイデアを幅広く出し、とことんまで考え尽くした結果、こういう理由でこの提案がベストだと思う、という伝え方をしましょう。他社ではなく自社案が競合というやり方ですね。

⑦なぜ御社か

世の中に企業(お客様候補)は無数に存在します。当社がお役に立てるタイプのお客様もいれば、お役に立ちづらいお客様もいるのです。御社は、そんな中でまさに”ちょうどぴったり”お役に立てる、当社がいちばん貢献できるお客様です!というお客様への”愛”を、暑苦しく、かつロジカルにぶつけるやり方もあります。

上記7つのうち、1つと言わず、7つ全てをそろえてベストな提案をぶつけたいものです。そして営業マネジャーは、これらの引き出しを備え、メンバーを案件指導できるといいですね。

営業マネジャーがメンバーの案件レビューをする際、提案書に対して自分の感覚だけで赤ペンを入れるのは危険です。勝ちパターンの再現性を上げていくためには、「お客様がこの提案を採用しない可能性」をとことんまで考え、そうならないための対策を考えましょう。これによって防げる失注は山ほどありますよ。

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