オンライン商談の難しさに「お客様の反応の薄さ」があります。資料を一生懸命説明した後に「ご質問はありませんか?」と聞くと、「いえ、大丈夫です」とあっさりした返事が……。
これは、営業側が進め方を間違えてしまっている証拠です。「なぜお客様の反応が薄いのか」の本当の理由を知っておく必要があります。
オンライン商談でお客様が不明点を聞けない理由
「オンライン商談で、自分から不明点を確認できなかったことがある」というお客様に理由を尋ねてみたところ、次のような回答がありました。
最も多かったのは「どこがわかりにくいかをその場で説明するのが難しかったから」、次に多かったのは「確認するタイミングが与えられなかった」、3番目に多かったのは「不明点は後から聞けばいいと思った」という回答でした。
これらの回答から分かるのは、「一通り説明して、最後に不明点を尋ねる」という商談の進め方はNGということです。
オンライン商談では、お客様はどこがわかりにくいかを自分の言葉で説明するのは難しいもの。また、よくわからない点があっても、わからない、と感じたタイミングで声をあげることはまずありません。そのため、多くの営業は「お客様がどこを理解していないのか」がわからないままに商談を終えてしまいます。
オンライン商談で忘れられがちな重要ポイント
コロナ禍になり、「オンライン商談のコツ」といった情報がネット上に溢れるようになりました。例えば、「光が重要だから女優ライトを買いなさい」「音が重要だから、マイクは良いものを選びましょう」「雰囲気作りは重要だから、オンラインでも入り口はアイスブレイクをしましょう」といったものです。
どれも、「入り口」のアドバイスとしては悪くありませんが、大事な点が抜けています。それは、商談の出口(購買の決め手)という観点です。ここで、「対面がオンラインになることで、購買の決め手はどう変わったか」について、お客様から得られた回答を見てみましょう。
1番は「段取りや進め方」、2番は「納得感の醸成」 となりました。つまり、お客様の反応が薄いのは「オンライン商談だから」ではなく「オンライン商談の進め方がまずいから」ということがわかります。
オンライン商談で納得感を生むためには、一方的に資料を説明する時間を長くするのはNGです。なぜなら、お客様の不明点をつかめなくなるからです。あえて説明はブツ切りにして、お客様に会話のボールを渡してみましょう。
すなわち、「どのタイミングでどう質問を投げるか」を予め考えておくことが必要です。そのための準備が「段取り」です。
オンライン商談の事前準備に必要なのは
多くの営業は、資料を準備する際「このページで何を話そうか」と考えます、オンライン商談では「営業が説明する正味の時間」を短くするため、商談の場で扱う資料のボリュームを多くしすぎないこと、資料について双方向のやり取りを生むためのトリガーを考えておくという事前準備が必要です。