組織ぐるみで営業力を上げるため「営業の”型”を作りたい」という会社は多いものです。一方、「“型”とは何なのか?」という議論は、抽象度が高いため、宙に浮きやすくなります。
“型”は、以下の3つの要素が揃うことによって機能します。
(1)具体的なサンプル
(2)チェックポイント
(3)パフォーマンスを確認する仕組み
(1)具体的なサンプル
世の中に、営業マニュアルやトークスクリプトは無数に存在します。しかし、その中できちんと機能しているものはごくわずかです。なぜなら「具体的にどうやるのか」の情報が足りないから。具体的な情報として、商談場面の動画や、どんな資料を使って行うかなどといったイメージサンプルが必要です。
具体的なサンプル(動画や資料)をそろえる上でネックとなるのは、
●特定の1人の営業をベースに作ろうとしてしまう
●良い例だけを作ってしまう
●完璧なものを作ろうとしてしまう
以上3つのパターンに集約されます。そうなるとサンプルを揃えられません。そこで「チェックポイント」が必要になります。
(2)チェックポイント
営業のやり方をモデル化したチェックポイントです。場面を想定し、プロセスを区切って、「良い例」「悪い例」を具体的に言語化します。これがあると、幅をもたせたサンプルを作りやすくなります。具体的なサンプルは、チェックポイントと合わせて見ることではじめて理解が深まるのです。
具体的なサンプルとチェックポイントがあれば、要点を理解した上でイメージが湧きやすくなります。そして、社内教材を量産することもできます。
しかし、「頭で理解する」ことと「実際にできるようになる」ことは別の話です。そこで必要なのが「パフォーマンスを確認する仕組み」です。この仕組みを作るために、ロープレやテストの場を設定する必要があります。
(3)パフォーマンスを確認する仕組み
具体的なサンプルを見てイメージが湧き、チェックポイントを理解していれば、要点は押さえられていると考えていいでしょう。そこで、「実際にお客様を前にして、できるのかどうか」を測る仕組みが必要です。それは単なるテストではなく、スキルアップもできる場であることが望ましいでしょう。
パフォーマンスを確認する仕組みまで整ったら、あとは、「型」を実践して業績が上がっているかどうか検証しましょう。もし「型」が良いものであるならば、きちんと実行すれば営業の成果が上がるはずです。また、縦軸に業績、横軸に実行度合いをとったマトリクスを作った時、ラグビーボールのような形状になるはずです。