「仕事でうまくいかないことが続くとき、どうモチベーションを維持していけばよいか?」という質問や相談を受けることがあります。私は、セルフマネジメントで何とかするのには限界があると思っているので、「他者からのフィードバック」が鍵だと思っています。
私の価値観の根底にあるのは「人はそんなに強くない」ということ。結局、人によって助けられているし、生かされていると思います。だから、「他者からの言葉」が支えになるのです。 とりわけ、ビジネスや仕事は「人にどう喜んでもらうか」が重要です。だから、良くも悪くも、他人からの言葉が力を帯びます。
フィードバックをもらうための三大要素
ビジネスの場で、他者からフィードバックをもらうためには重要な要素は ①相手、②習慣、③環境の3つです。以下、それぞれの要素についてみていきましょう。
①相手
家族・友人・職場の人など、色々な人間関係の中で、「自分のいいところを3つ教えて欲しい」といったことを頼んだ時に快く教えてくれる人がいるかどうかです。 営業にあてはめて考えてみましょう。重要なのは、「私にフィードバックを下さい」とお願いしたとき、相手が快く応えてくれるかどうかです。それは、普段から自分が周囲や他人にどのぐらいGive(貢献)しているかによります。「自分のおかげでこのプロジェクトが成功している」といった傲慢な状態に陥らないよう注意しましょう。
②習慣
世の会社の多くは「フィードバックの機会」が少なすぎます。ほとんどの人は、フィードバックをもらうことに慣れていません。そのため、「自分からフィードバックをもらいに行く」ことが習慣として根付いているかが重要です。フィードバックは、待っていてももらえません。ことあるごとに、自分の方から質問してもらいに行きましょう。
私は20代の頃、初回訪問の度に、商談の最後になると「この商談は100点満点中、何点でしたか」とお客様に聞いていました。最も多かった回答は88点、微妙ですね(笑)。 でも「足りない12点は何ですか?」への答えに、自分が成長する機会が隠されていると感じましたね。
③環境
自分の業務や会社のビジネスにフィードバックをもらう機会を日常的に組み込んでおくことが重要です。1on1を自分からリクエストして、仲の良いお客様から定期的にコメントをもらいに行きましょう。歳を重ねるごとに、こういった「環境」の重要性を実感できます。
「モチベーションをどう維持するか」については、色々なやり方や考え方がありますが、私は「自分はそんなに強くない」ことを前提とし「人に支えてもらっていることを認識し、どうフィードバックをもらうか」が大切ではないかと考えます。