今回は、新規取引のアカウントを拓きたいが、お客様が競合他社のサービスを長年使われていて「間に合ってます」と言われている際の初回訪問についてお話します。
逆転受注に向けた提案機会をいただくステップは5段階です。
①説得しない
②他社の良い点を聞く
③洗いざらい聞く
④「120点質問」をする
⑤提案機会をいただく
①説得しない
まず、やってはいけないのは「当社の方が優れているので…」といきなり説得することや「何とか提案をさせていただけませんか」と懇願することです。 競合他社を長年使っているのはお客様の選択なので、そこをいきなり覆しにいくのは危険な行為です(他社導入を決めたのは、目の前のその方かもしれない)。
②他社の良い点を聞く
「お話する時間をわずかでもいただけてありがとうございます。せっかくの機会なので1つ伺いたいのですが」の枕詞で、
●他社の導入理由や経緯
●他社に感じている良い点
からヒアリングしましょう。いきなり「他社に感じる課題」から聞くと、売り込まれないようお客様のガードが固くなってしまいます。
③洗いざらい聞く
他社の良い点をあまり深く聞きすぎると、後で自分が提案しづらい状況(やぶ蛇)になるのではと懸念する営業の方がいます。 しかし、「なぜ、お客様は他社を良く評価しているのか」を理解しないままに逆転を狙った提案をしても響きません。とことんまで、根掘り葉掘り聞くことが重要です。
④「120点質問」をする
他社の良い点を洗いざらい聞いたら、「ちなみにA社様への満足度は、100点満点中、120点ぐらいですか?」と質問してみましょう。 どんなに長年使っていても、若干の不満はあるので「いえいえそんな。まあ、●●点ぐらいですかね」と返ってくることが多いです。そこにかぶせて深掘り質問をすることで課題を聞いていきます。
⑤提案機会をいただく
良い点を洗いざらい聞き、課題も聞き出したら、「ここまでお話しくださってありがとうございます。せっかくこんなにお聞きしたのに、これを無駄な時間で終わらせてしまっては申し訳ありませんから、弊社にも一度提案させていただけませんか?」と打診してみます。これで逆転を狙った提案機会を獲得できることがありますよ。