「いつ頃にご連絡差し上げたらよろしいですか?」
「そうですね、まだ検討できる状態ではないので、11月あたりにご連絡いただければ…」
こんなとき、言葉通り11月にアプローチしてもうまく案件化しません。
それは「当社がアプローチすべき時期」を聞いてしまっていることが原因です。
「今ではないお客様」の心理
まず、購買時期でないのに営業からアプローチされて「今ではない」と答えているお客様の心理を考えてみましょう。
●いま迫られても困る
●課題やタスクが整理できていない
●頭の中がとっちらかっている
●落ち着いて考えたい
この状況でお客様から回答される「この時期に連絡してほしい」は当てになりません。
”今じゃない”お客様にまず伝えるべきは、「今、無理に売り込むことはしません」ということです。
これにより、条件反射でブロックをされないようにします。
ただし、無理に売り込まないからといって、「では11月にまたご連絡しますね」と帰ってはいけません。
なぜかというと、お客様は目の前の課題やタスクが整理しきれておらず、状況が不確実に変動するからです。
このときお客様は
●まず、目の前の課題Aがあるな
●でも課題Bもある
●あれ、他にもありそう
●う〜ん、整理しきれていない
●とりあえず、少し先で11月と言っておこう
と考えが巡り、結果として「11月にまたご連絡を」と言っているのです。
そのため、真っ先に行うべきは、課題やタスクをお客様と一緒に整理することです。
お客様の課題の「構造」を考える
お客様と話しているうちに、
●課題A←すぐやるべき
●課題B←次にやるべき
●課題C←(ここが、当社の提案商材がハマる課題)
●課題D←緊急度は低い
●考えるべき課題は以上!
…のように整理できると、視界がスッキリします。
しかし、このままでは当社が提案したい課題Cの提案時期は後ろのままです。
課題を並列的に考えると、A→B→C→Dの順に解決を…となりがちですが、こんなときは、全体の構造が見えていないことが多いです。
そこで、課題A〜Dの「構造」を考えます。
どのように絡み合っていて、どこがボトルネックか。
あるいはセンターピンなのか。
AとBとCとDの因果関係や循環の構図を明らかにしていきます。
価値訴求のGiveで案件化につなげる
「実は課題Cへ最初に着手すると、AとBとDもうまく解決できるんです(着手の順序を入れ替えることの提案)」が言えればいいのですが、そこまで都合良くなっていないことも多いです。
最低でも、A〜Dまでがスッキリと整理されていたら、課題Aや課題Bに対して、労務提供や情報提供でお役に立つ道を作っておきます。
課題Aや課題Bに対して、労務提供や情報提供ができるポイントを明確にしたら、当社の取るアクションは「11月に課題Cのためにアプローチする」ではなく、「課題Aや課題Bのために、直近できることで貢献する」になります。
ここで価値訴求のGiveができれば、後々、課題Cについても案件化しやすくなります。