「ロープレは重要だが優先順位が下がりがち」という営業組織は多いです。
効果を上げるためのポイントを的確に押さえれば、忙しい中でも実のあるロープレができます。
①モジュール化
②ゴール設定
③チェックポイント
④難易度設定
⑤オブザーブ
⑥軌道修正力
⑦ローテーション
⑧録画の記録
①モジュール化
自社の営業プロセスを細分化しておき、「商談のうち一部分」でも練習可能なようにしておきます。
特に新卒や若手の場合、どこができてどこができていないかを具体化する必要があります。
細かく分けておけば「ちょっと5分ロープレしようか」ができるので、一度モジュール化しておくと後々便利です。
②ゴール設定
多くのロープレは「話す練習」になりがちです。
これだと、お客様との商談でも「(練習の成果を発揮して)一方的に話す営業」が育ってしまいます。
たとえ5分のロープレであっても、双方向のやり取りを混ぜるようにし、ゴール(相手からどんな台詞が出てくる状態になったらOKか)を定めます。
③チェックポイント
ゴールと共にチェックポイントを明確にします。
例えば「普段の商談では、間ができると沈黙を恐れて自分が話す割合が増えがちなので、間を恐れずお客様になるべく話していただくようにする」のようなものです。
「普段の癖がこうだから今回はここを意識する」を営業役が周囲に宣言します。
④難易度設定
本人にとって、ほどよい「接戦」のレベルになることが望ましいです。
易しすぎても難しすぎても効果的な練習になりません。
「やり方次第では前に進むが、言動を違えてしまうと、うまく進まない」のが接戦です。
お客様がどのぐらいアドリブを入れて揺さぶるかも、イメージをすり合わせておきます。
⑤オブザーブ
営業役とお客様役とだけで実施するより、「観察に徹する」役回りを入れておくのが効果的です。
オブザーバーは、実はかなり勉強になります。
普段の営業活動では、「観察に徹した同行」というのは(お客様の手前)やりづらいので、社内の練習だからこそオブザーブに集中できるというのもあります。
⑥軌道修正力
多くのロープレは「1回やって駄目だしされて終わり」になりがちです。
お客様役やオブザーバーからフィードバックをもらったら「その場で、アドバイスを活かしてすぐにやり直す」のが大事です。
ここで軌道修正力を鍛えておけば、実際のお客様との間にズレが起こったときに気づいて立て直すことができます。
⑦ローテーション
営業役・お客様役・オブザーバーという3つの役回りをローテーションします。
よくある構図は、新人はずっと営業役だけでロープレをするというものですが、これだとなかなか「気づきのアンテナ」が磨かれません。
お客様役やオブザーバーをやるからこそ、色々な発見が起こります。
営業役以外の目線を体験することが重要です。
⑧録画の記録
ロープレは記録を撮っておきます。
ハイパフォーマーが営業役をやるときは、その動画を記録しておけば他のメンバーにとっても見本になります。
そして新しいメンバーが入ってきたときに、「誰がいつ頃にどのぐらいのレベルだったのか」の記録が残っていると、人材育成の観点からもプラスになります。