資料を「読む」か「語る」か「使う」かでプレゼンが変わります。
スライドの内容を100%として
●90%そのまま伝える→「読む」
●70%は伝えるが、30%はスライドに書いていないWhyやHowを伝える→「語る」
●10%は使って資料の内容に触れるが、そこから核心に迫る問いかけに展開する→「使う」
ということです。
資料の内容をそのまま「読む」と、聴き手から相手にされません。
もしプレゼンの序盤でこれをやってしまうと、お客様の熱量はあっという間に落ち、そのまま上がらないでしょう。
例えば、初回訪問で会社紹介をするとき、会社概要をそのまま読むと、その時点で足切りされてしまいます。
資料の1〜2ページを「読む」のは超危険です。
「語る」のメリット・デメリット
ある程度プレゼンに慣れている人は、スライドをそのまま読みません。
実際にどうやっているかというと、スライドに書いていない話を口頭で補っています。
●なぜかというと…
●具体的には…
●要するに…
こういった情報が補われることにより、聞き手は「資料にない貴重な情報」に注意を傾けるようになります。
資料の70%をきちんと伝えていれば、聴き手は資料の内容に集中するようになります。
ある程度の興味を持って聴いてもらえるというメリットはありますが、予定調和のストーリーから外れないので、場の熱量が一定以上には上がらないというデメリットもあります。
お客様を熱く巻き込むには、資料を「語る」だけでは足りません。
資料を「使う」タイミング
場を活性化させるためには、資料を「使う」場面がプレゼンに盛り込まれている必要があります。
スライドはただのきっかけで、核心を突く問いをぶつけます。
お客様に
「…ということなのですが、ここで一つ、伺ってもよろしいでしょうか?」
と投げかけるような質問は予め用意しておきます。
多くの人は、プレゼンで「読む」や「語る」だけにとどめています。
伝える行為だけして、「以上となりますが、ご質問はありませんか?」とやってしまうと、場の熱量は上がりません。
どんなに伝え方を工夫しても、「読む」と「語る」だけでは限界が来ます。
では、どのタイミングで「使う」を持ってくるのでしょうか?
例えば資料が10ページなら
p1:使う
p2:語る
p3:語る
p4:使う
p5:読む
p6:語る
p7:使う
p8:語る
p9:語る
p10:使う
ぐらいのバランスです。
入り口と出口に「使う」を用意しておきます。
入り口の「使う」はつかむためです。
出口の「使う」は腹落ちを深めてアクションにつなげるためです。
「読む」はせいぜい1枚です。
ポイントなのは、p4とp7にも「使う」を入れておくことです。
資料は目的ではない
特にオンライン商談では、当初用意しておいたストーリーを伝えて「ご不明点はありませんか?」と聞いても反応が薄いことがほとんどです。
用意してきたストーリーが変わっても、お客様の関与度合いを上げ、双方向のディスカッションに展開します。
私はもう15年ぐらい、通常の商談で「用意してきた資料を最初から最後まで」そのまま話したことはありません。
おそらく、これからもないでしょう(講演や数分のピッチは別として)。
資料はあくまでも手段であって目的ではありません。
「読む」「語る」の割合が大きいと、資料が目的化して相手不在のプレゼンになってしまうのです。