オンライン商談での「ご不明点ありませんか?」という質問は、お客様の負担を増やしがちです。
●何がわからないかを言語化する
●適切なタイミングで質問する
は相手もエネルギーを消費するからです。
そのため、
①他社様からは…の枕詞
②AとBのどちらに近いですか?の選択肢つき質問
ぐらいは使えるようにしておきましょう。
なぜオンライン商談でお客様の反応が薄いのか
「オンライン商談中に”ご不明点はありませんか?”と聞いても、お客様の反応が薄い」という営業の悩みをよく聞きます。
ここで、「画面越しだから相手の反応が薄い」と考えて止まってしまうと、事態は改善しません。
オンライン商談の普及に伴い、負担がかかることが疎まれるようになっていることに気づく必要があります。
リモートワークによって、世の中が「便利」と「効率化」の方に進んでおり、めんどくさいことは避けられやすくなっています。
お客様は、検討のテーブルに上がっていない営業からの電話は受けたくないですし、わざわざ連絡もしたくないのです。
商談中も、なるべくカロリーを使うことはしたくないというのが自然な心情です。
「ご不明点はありませんか?」という営業からの質問に対して、その場で不明点を答えられるのは、お客様のうち少数派でしょう。
わからないことを言葉にするのは大変ですし、適切なタイミングで口にするのも難しいものです。
そのため条件反射で「もう少し話を聞いてみて、後でわからないことが整理できたら聞こう」となりがちです。
お客様は、話を聞いているうちにどんどんインプット情報が増えるため、「どこがわからなかったのか?」も曖昧になります。
さらに、商談が終了間際にあわただしくなると、最後にまとめて質問するという行為もなくなります。
かくして、「お客様の理解度や腹落ちが不十分」な商談が大量生産されます。
「ご不明点はありませんか?」以外の言い回し
オンライン商談は、こまめに問いを投げてお客様に発言を促さないと、会話のテンポがよくなりません。
営業が「ご不明点はありませんか?」以外の言い回しを知らないと、あっという間に会話が乾いてしまいます。
「ご不明点は?」→「いえ、大丈夫です」→「では続きを説明…」→「ご不明点は?」…が続いてしまうのです。
①「他のお客様からは、よくXXXのようなご質問もいただくのですが、御社についてはいかがですか?」
これは、予めこういう質問が出そうだな(出たらいいな)というのを、「他のお客様からよく出る質問」のFAQ方式で伝えるものです。
お客様も、これならリアクションしやすくなります。
②「こちらの資料に書いてあることについて、AとBとではどちらに近いですか?」
これは、AとBに色々なパターンがあります。
(例1)
A:かなり当てはまる
B:半分ぐらい当てはまる
(例2)
A:社内の意見が一致している
B:社内で意見が分かれている
選択肢で聞くと、相手は選ぶだけなので答える負担が減ります。
①他社様からは…の枕詞
②AとBのどちらに近いですか?の選択肢つき質問
いずれにせよ、慣れるまではその場でスムーズに出すのは難しいので、事前に考えておく必要があります。
特にオンライン商談では、「自分が話すこと」だけ準備するのではなく、「どのタイミングで何を問いかけるか」まで考えておきましょう。