営業から「理不尽に思えるお客様からの要求に対してどうしたらよいか?」と相談を受けることがあります。
これは、残念ながら注目する場面を間違えてしまっています。
「厳しい要求を受けた場面」ではなく「営業としての違いが現れやすい場面」にフォーカスを当てないと、状況は変わりません。
「ガッカリ営業」に対するお客様の心理
そもそも、なぜ「理不尽に思えるお客様からの要求」が発生するのでしょうか?
答えはシンプルで、「購買側として出会うのはほとんどがガッカリ営業」という構図があるからです。
お客様の理不尽に思える行動には、「過去にさんざんガッカリさせて期待値を下げる原因になった他の営業」の行動が大きく影響しています。
営業としては辛い現実ですが、お客様と出会って間もないうちは「たぶんこの営業もガッカリ営業だろう」と想定されているのです。
初回訪問で品定め質問がくるのも、ガッカリ営業に沢山の時間を割きたくないというお客様心理です。
まともな営業は6分の1
お客様は「ガッカリ営業フォルダ」と「まともな営業フォルダ」とに分類をしています。
まともな営業の比率は6分の1。
営業として気をつけるべきは、6分の5の方に分類されないようにすることです。
初期の印象がマイナス形成されないように、「どういう営業として覚えていただきたいか」を考えます。
こういうことを言うと、大半の営業は「マナーや身だしなみに気をつける」などしがちですが、そこが落とし穴です。
新規の取引先を選ぶなら一番は「わかってくれる営業」です。
マナーや身だしなみは良いのが当たり前で、そこでは全く差がつきません。
初期印象は「わかってくれる営業である」と感じていただけることにこそ、全力を注ぐべきです。
やってはいけないのは
●テンプレの会社紹介
●一方的な説明
●自社の主張だけ述べる
理不尽とも思える要求がきたら
まだ信頼関係を構築できていない段階で、一見すると理不尽とも思える要求やリクエストがくることがあります。
そんなときこそ
●とにかく早く返す
●リクエストの裏にある真意を確認する
が重要です。
ここで「理不尽に思えるから対応をなおざりにする」と、ガッカリ認定され、悲惨なループから抜け出せません。
逆説的ですが、理不尽とも思える要求こそ、実は「早く、エクセレントに返す」ことが重要です。
要求へ素直に応えるのとは違います。
迅速な対応と裏にある背景の確認をきっちりと行うことで「この営業をぞんざいに扱ってはいけない」と理解していただく。
特に、背景を確認しないまま社内に持ち帰らないよう注意です。
ただし、何だかんだいっても、いったんキツめの要求をされてしまうと、高いハードルを乗り越えないといけません。
ですから、初期の段階で「この営業は、ガッカリの方ではなく、まともな営業だ」と感じていただくのがベストです。
特に、初回訪問は「テンプレ営業」が圧倒的大多数なので、ものすごく差がつくのです。