営業のシミュレーション力を上げようと思ったら「書き出す」行為は重要です。
●この案件、発注を頂くまでに、お客様側にあと何工程のプロセスが発生するのでしょうか?
●この案件、失注するリスクについて、どのような場合がありえるのでしょうか?
とことん書き出して、考え尽くすかどうかで成果が分かれます。
デジタルメモと手書きの向き不向き
ノートPCやスマホでメモを取る人は多いと思います。
●スマホ:すぐに何かを書き留める
●ノートPC:大量の情報を記録する/メモを誰かと共有する
…といった用途には向いていますが、「しっかり考える」ということと紐付けるなら、手書きの方がやりやすいです。
手書きは「書き出して、考え尽くす」のに向いています。
デジタル中心のワークスタイルが普及することで、「考えるよりサクッと行動する」タイプの営業が増えているように感じます。
確かにスピードは重要ですが、それは質を伴ったスピードであるべきです。
考えるプロセスを疎かにしていては活動の品質が上がりません。
では、「何について」考えるべきなのでしょうか?
考え尽くすべきこと
提案中の案件について逆算でプロセスを洗い出します。
▼最終的に社内決定が行われる日(会議or個別上申)
▼最終決定の前に合意を取るべき人物と担当者がやり取りする日
▼そのために必要な資料が担当者の手元でFIXされる日
▼その資料について担当者と当社が相談する日
ここに、具体的な日付が入る必要があります。
さらに、失注するリスクも可能な限り洗い出しておきます。
●お客様要因(方針変更/組織の問題/予算不足)
●競合要因(圧倒的な低価格/エースがきている/裏側でトップ営業/実は以前からつながっていた)
●当社要因(スピードが間に合わず/提案内容が要件を満たせず/実は不満を抱かれている)
この「書き出して、考えつくす」を上司と部下が一緒にやっている営業組織は強く、担当者では気づかない点に上司からつっこむことで精度は上がります。
上司が面談形式で案件レビューする組織は多いのですが、その際、「考えるべき点について、担当者が予め手元で書き出しておく」準備をセットにするのがおすすめです。