「コロナの影響もあり、自社が提案している件の優先度がお客様の中で下がっている」悩み相談をよく受けます。
このとき、「当社提案検討の優先度を上げてもらおうとお客様を説得する行為」がなかなか実を結ばないことが多いです。
実はこのルートでは目指す山に登れないので、別ルートが必要です。
「他の課題」へのヒアリング
コロナ禍で大変な中、他に大事な課題がある(と認識している)お客様は、優先度が下がった課題への提案をゴリ押ししてくる営業をどう思うでしょうか?
残念ながら、「わかってくれていない営業」と映ってしまいます。
一方、営業としては自社提案の優先度を上げてほしいですよね。
そんなとき、鍵になるのは「他の課題」へのヒアリングです。
自社の提案に関係なくとも、「お客様にとって重要な課題」についてヒアリングします。
必ずしも応えられるかわからないので、「弊社でお応えできるかわかりませんが、御社のことをきちんと理解させて頂きたいので」という枕詞をつけてヒアリングするのです。
そして、当社提案より重要な課題についてしっかりと理解を深めます。
より上位の課題について理解を深めたら「課題どうしの関係」を整理します。
課題はそれぞれ独立無関係ではなく、根っこのところでつながっているはずです。
関係を整理した上で、どの順番で着手していくのが効果的かのストーリーを考えます。
「当社提案に関係しない課題も含めた全体像」で考えるのがポイントです。
お客様を部分ではなく全体で理解する
一連の課題を解決していくプロセス全体像の中で、当社提案が「入り口」部分にくることのメリットを説明できるか?
ここが最大の肝になります。
着手の順番についてきちんとロジックが作れないと、自社提案の検討優先度は落ちてしまいます。
自社提案に関係ない課題についても理解を深めておかないと、このロジックが作れません。
逆説的ですが、「当社提案を優先してもらうために、当社提案に関係ない課題についてもあえて詳しく聞く」ということができるかどうかが重要です。
お客様を、(当社提案に関係する)”部分”で理解するのではなく、(他の課題も含めた)”全体”で理解します。
そこまですることで「わかってくれる営業」になります。