「既存顧客にはオンライン商談でクロージングできるが、新規顧客とオンライン商談をしても受注までいくのは難しい」という声を聞きます。
もちろん、既存顧客の方がやりやすいのは自明ですが、意外と見落とされがちなのが「新規顧客相手に、品定めモードで商談に突入しない工夫をしているかどうか」です
営業に対する期待値は低い
新規のお客様と初回商談の場合。
理解しておくべきは、(既に「買いたい」という意向を伺っているとき以外は)お客様から営業に対する期待値は低いということです。
営業にとってはシビアな話ですが、新規の商談であれば「どうせ大したことないだろう」「早いところ見切りをつけて仕事に戻ろう」ぐらいから始まります。
新規に依頼をするなら、ズレない営業に頼みたいというのがお客様の心情です。
初回の商談では「ズレ」の気配を漂わせた瞬間に、足切りのリスクがあります。
ここで難しいのが、お客様を理解しようとヒアリングを試みても、「いやいやそんなことより、御社が何をできるかまず教えて下さいよ」という品定めのオーラです。
お客様を理解するための確認
初回商談の前に品定めモードを解除できると、だいぶ進めやすくなります。
そのために「商談前の段階で、相手に負担をかけずに、お客様を理解するための確認を行う」やり方を磨いておきましょう。
この確認は、意外と難易度が高いため、「詳しくは商談の場でお話しますので…」とあしらわれてしまわないよう工夫します。
商談前の確認プロセスで、ありがちな3パターン
①商談前にできるだけ情報収集しようと、がっついてしまって嫌がられる
②テンプレートの言い回しやメールを使って、「その他大勢の営業」にくくられてしまう
③「詳しくは商談の場でお話しますので…」を真に受けて、何も情報を得ずに商談に突入する
商談前の確認では、質問できるとしても1つか2つです。
お勧めなのは核心質問です(こちらで初回訪問のケースを書いていますが、訪問前でも使えます→ https://bit.ly/3fWlkTk )。
そして「機会的なテンプレート」と感じさせるようなメール文章や電話のトークを避けること。
テンプレは相手の期待値を下げてしまいます。
https://forbesjapan.com/articles/detail/33766/1/1/1
「その他大勢の営業」に分類されないために
商談前に、営業からの確認リクエストに応じていただくためには、「その他大勢の営業」に分類されない所作が必要です。
最低でも、下記をまとめて30秒で伝える言い回しは準備しておきます。
●自分も予め最低限のことは調べている
●課題や訴求ポイントの仮説を持っている
●時間を割いて頂くに相当する価値を出せる
事前に確認を行えれば、初回商談で「ズレ」を引き起こすリスクを減らせます。
また、事前準備の心配りとして、
●アジェンダや段取り
●予めご準備頂きたいこと
などが、相手の負担に配慮した形で示されていると望ましいです。
日時と商談のURLだけ送られて終わりだと、「その他大勢の営業」と差がつきません。
よく「顧客が営業担当者に直接関与する前に、購買プロセスは57%が進行している」という海外調査が引用されます。
これは、マーケティングやコンテンツの重要性を語る文脈で使われることが多いのですが、「初回商談を迎える前の準備クオリティを上げる」に対しても良い教訓だと思います。
前倒しで価値訴求しましょう。