お客様へ「これまで出会った営業」について質問すると、沢山の発見があります。
これは、特に若手営業の人方にお勧めの方法です。
●今まで出会った中で最高の営業は?
●営業に対する印象が上がる/下がるのはどんなとき?
多くの営業は「お客様が営業に対してどう感じているか」を知らずに活動しています。
突っ込んで聞いても意外と人は怒らない
私が講演の参加者からよく聞かれることの1つに「高橋さんが過去にしてきた質問の中で、最も効果的だったものは?」があります。
万人にお勧めできることではないですが、私は営業経験がまだ浅かったときに
「私よりも踏み込んで質問してきた営業は他にいましたか?」
とよく聞いており、衝撃的な発見がありました。
25歳の起業当初、商品なし・実績0・経験0の世界で、1日100件のテレアポをしていました。
大企業の受付電話でほとんどシャットアウトされるのですが、アポをいただかないことには始まりません。
私は「受付電話をどう突破するか」に腐心していました。
その頃、よくある断り文句はこちらでした。
「関係者がみな会議に入っておりまして」
あまりによくこう言われるので、あるとき「ちなみに、その”関係者”は何名いらっしゃるのですか?」と聞いてみると、電話の向こうで息を飲む音が聞こえました。
さらに「いまカレンダーを見ておっしゃっているんですよね?皆さん明日のご予定はどうなっているのですか?」と聞いてみました。
今にして思えば、相手も典型的なテレアポブロック対応で、私も若気の至りだったのですが、この時の経験から「突っ込んで聞いても、意外と人は怒らない」ということを学びました。
お客様から営業がどう見えているのかを聞く
起業したてで売上があがらず、貯金も減り続ける日々。
後がない私は、受付電話でとにかく粘りまくりました。
聞き方さえ礼儀をわきまえていれば、「突っ込んで聞いても、意外と人は怒らない」とテレアポで体感していたので、アポが取れ訪問したときも、どんどん踏み込んで聞きました。
あるとき、会話の流れで「私よりも踏み込んで質問してきた営業は他にいましたか?」と聞いてみました。
そこで、お客様の答えに衝撃を受けました。
お客様は「高橋さんがダントツ踏み込んで聞いてきてますね。でも、大概の営業は、そもそもそんなヒアリングしてこないで、ズレた提案してきますから(笑)」とおっしゃったのです。
私はこの台詞を聞くまでは、正直「こんなに聞いても大丈夫かな?」という不安が多少あったのですが、これを聞いて完全に吹っ切れました。
そこからしばらくの間、商談の最後に「私よりも踏み込んで聞いてきた営業は他にいましたか?」と聞くようにしましたが、毎回「他にはいません」の答えが返ってきました。
ということは、これを続けていけば、競合に比べて圧倒的な情報のアドバンテージをもとに戦うことができるのでは?と考えるようになりました。
「私よりも踏み込んで聞いてきた営業は他にいましたか?」という質問は、正直ハードルが高いとは思います。
ただ、私が一連のできごとで学んだのは、「お客様から営業がどう見えているのか」を聞くことの重要性でした。
その後も色々と角度を変えて聞くようにしましたが、今にして思うと、この学びはとても大きなものでした。