お客様から「ちょっと高いですね」と言われたとき、社内に持ち帰り「あのお客様はターゲット外です」と報告されるのはよくあることかと思います。
情報を正しく扱うためのポイントは、次の3点です。
①具体と抽象を行き来する
②主観と分けて事実を捉える
③情報の位置を把握する
①具体と抽象を行き来する
例えば、営業担当の商談報告に抽象的なことしか書かれていない場合、マネジャーは「実際に何が起こっていたのか」を把握できません。
一方、お客様の台詞をただ羅列しただけの報告も、「要はどういうことなのか」がわかりません。
重要なのは「ポイントはこうでした。具体的には…」と伝えられるかどうかです。
これは、営業担当がマネジャーに報告するときのみならず、商談でお客様に説明するときも同様です。
頭の中に「要はどういうことなのか?」を頻繁に発生させるお客様もいれば、「抽象論ばかりで具体的なイメージがわかない」と感じられてしまうケースもあります。
具体と抽象を行き来して、適切な塩梅で伝える必要があります。
②主観と分けて事実を捉える
これはなかなか自分では気づきにくいものです。
上司から「それはお客様が実際にそう言ったの?それともあなたの意見?」とよく聞かれてしまう方は、事実と主観を切り分けられていないと言えます。
商談中、お客様の台詞を丁寧に聞かず「自分が何を言うか」で頭が一杯の人が陥ってしまいがちです。
事実を捉えられるようになるためには、商談でお客様の台詞に対して、深掘り質問を多めに投げることをお勧めします。
「今おっしゃったこと、もう少し詳しく伺えますか?」
これをすっ飛ばしてお客様を説得するモードに入ってしまうと、相手の台詞を自分の脳内で勝手に変換する癖がついてしまうので要注意です。
③情報の位置を把握する
具体と抽象を行き来できて、主観と事実を分けて捉えられるようになったら、情報の位置を明らかにしたコミュニケーションを心がけます。
●今、自分はどのレベル感で話しているのか(具体⇔抽象)
●その情報は事実なのか、意見なのか
これが、相手とズレないように気を配ります。
情報を正しく扱える営業担当は、的確な情報整理をもとに社内の力を借りやすくなりますし、お客様との意思疎通がスムーズになるため、商談の受注率が上がります。
さらに数年後、いざマネジャーや上司になったときに、「メンバーの状況を把握し、適切にディレクションする」際にこの力が大きく役立ちます。