コロナ禍で、これまでの勘と経験が通じずに戸惑う営業マネジャーも少なくないようです。
「リアル商談の感覚をオンライン商談に持ち込んでもうまく進まない」
「リアル会議の感覚でオンライン会議をしても意思疎通が取れない」
このような声が聞かれるようになりました。
問題の核心は、手段やツールの問題ではなく、「主導権」が移ったということです。
オンラインが主戦場になって変わったこと
オンラインの世界では、営業よりも顧客の力が格段に強くなりました。
無料ウェビナーなどで情報は集め放題ですし、嫌な営業からのテレアポや飛び込みはシャットアウトできます。
商談中も、他の仕事をしながら話を聴けますし、判断を迫られても「コロナで予算が…」の断り文句でかわすことができます。
また、オンラインが主戦場になり、マネジャーよりもメンバーの力が圧倒的に強くなりました。
サボってもバレませんし、リモート環境では内職や副業も可能です。
会議中は他の仕事をしながら話を聴くことができます。
何か問題があったとしても、全ては「上司のマネジメント力不足」で片付きます。
更には目標未達も「コロナのせいで…」と言い訳できてしまいます。
コロナ前は「足で稼いで関係構築してからクロージング」や「会議室にメンバーを長時間拘束する」ということも、珍しくありませんでした。
しかしこのような状況で、オンラインが当たり前になっても営業マネジャーが「過去の勘や経験」に頼ろうとしたり、主導権が移ったことに気づかず、従来型のやり方を当てはめようとしていると、空回りしてしまうのです。
必要なのは「ズレに気づいて解消する力」
オンラインの世界では、主導権がことごとく相手に移っています。
●「営業とお客様」とでは、選ぶ側にあるのは「お客様」
●「マネジャーとメンバー」とでは、選ぶ側にあるのは「メンバー」
「温度感」や「関係性」という言葉を使って、「リアルだったらうまくいったのに…」と感じている営業マネジャーは多いはずです。
これまでの勘や経験が通じない世界で必要なのは「ズレに気づいて解消する力」です。
●ズレに気づく「質問力」(ズレは聞かないとわからない)
●ズレを見えるようにする「言語化」(ズレは言葉にしないと見えない)
●ズレを解消する「二人三脚」(同じ方向を向いて少しずつ進まないとズレは解消されない)
これからの時代、営業マネジャーが自信をもってメンバーをリードしていくために必要なのは、「質問力によってズレを発見し、お互いから見えるよう言語化して、二人三脚で共に進む」ことができる力です。
これは、お客様に対する商談も、メンバーに対するマネジメントも、同じことが当てはまります。
オンラインが主戦場になったことで変わったことを敏感に感じ取り、ズレを解消していくことが重要です。