「営業においていちばん怖いもの」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
不況によるお客様側の予算削減、手強い競合、上司からの目標達成プレッシャー…
色々あるかもしれませんが、私は「思い込み」こそがいちばん怖いと考えています。
「思い込み」の営業
不況は数年で収束するかもしれませんが、「思い込み」にハマった人は何十年も苦しみます。
例えば、ニーズや予算があるのに振る舞いが怖い(厳しい)お客様がいたとします。
日頃から成果が出ているAさんは「行くタイミングを間違えた」と考えます。
一方、成果が出ず苦しむBさんは「行く相手を間違えた」と考えます。
Bさんはそこでアプローチをやめ、Aさんはタイミングを図り再トライします。
このようなことが、日常茶飯事に起こっているのです。
また、とにかく忙しいお客様の場合。
成果が出ているAさんは「相手は忙しいから、投げかける一言を色々と工夫してみよう」と考えます。
一方、成果が出ず苦しむBさんは「忙しい相手にあれこれ考えても無駄なので、とにかく簡潔に話そう」と考え、終わります。
さて、この二人が将来マネジャーになると、どんなことが起こるでしょうか?
思い込みタイプのマネージャー
工夫と改善を繰り返して成果を上げてきたAさんがマネジャーになると、メンバーに「創意工夫する営業の楽しさ」を伝えます。
一方、思い込みに気づかないまま「気合と行動量」で何とかしてきたBさんがマネジャーになると、「営業なんてそんなもん。大量に行動していればそのうち結果が出る」と指導します。
営業個人の「思い込み」は連鎖し、いずれ「組織のカルチャー」になっていきます。
怖いのは、思い込んでいる状態にハマっているのに気づかないことです。
営業マネジャーは、メンバーが同じ「売れない理由」を口にするようになったら、是正する指導をすぐ行うのではなく「どんな思い込みにハマっているのか?」を考えるべきです。