2024.06.03

オンライン商談の難しさについて

オンライン商談の難しさ「9つの観点」

コロナ禍において、オンラインでの商談も当たり前になってきました。

今回はこの「オンライン商談の難しさ」について、以下の9つの観点からお話したいと思います。

①ツールや環境 
②場のセッティング 
③事前の段取りと情報収集 
④不安や不信の払拭
⑤場の温度感を上げる 
⑥人の温度感を上げる
⑦組織の温度感を上げる 
⑧クロージング 
⑨ツールの使い方と場面の見極め

ひとつずつ、分解して見ていきましょう。

①ツールや環境 

いわゆる「ウェブ会議ツール」として何をどう使うかの問題や、営業/顧客双方のITリテラシーの話です。

どのツールを使うのが正解か?
それぞれの特徴は?
音声や画像をクリアに届けるには?
背景画像はどうする?

コロナ禍ではこの類の情報が飛び交いますが、世の中の平均レベルは徐々に上がっていきます。

②場のセッティング

便利なツールがあっても、「顔が見えないと安心できない」という顧客にどう対応するかの問題。

既存顧客の場合、従来のやり方から変えることに対する先方のストレスが大きいこともあります。

また、新規開拓の場面では、そもそも連絡が通じにくく、商談の場が設定できないという悩みも多く伺います。

③事前の段取りと情報収集

オンライン商談に慣れていないうちに、いきなり商談に臨むのはリスクが大きいものです。

担当者から事前の情報収集をしつつ、先方の状況や認識を探っておく必要があります。

関係者が複数いる場合は、簡単なアンケートなどができると効率的です。

そして、アジェンダや資料、シナリオを想定しておくことも、オンライン商談を成功させるための肝になります。

④不安や不信の払拭

いざ商談がスタートします。

特に新規顧客とのオンライン商談では、まだ関係ができていない状態が多いでしょう。

そこでいきなり会社説明や商品説明に入るよりも、相手の警戒心を解き、「これからこの場がどう進んでいくのか」や「どういう風にリアクションをいただきたいか」について案内した方が、安心感を感じていただけます。

⑤場の温度感を上げる 

商談が進行していく中で、営業側が話す場面で多くの営業がつまづくのは、一通り話した後の「何かご質問はありませんか?」に対するお客様の「塩対応」です。

これは、お客様側の問題ではなく、営業側の問題です。

また、話す間合いや話者の展開については、ある程度のファシリテーションが必要です。

⑥人の温度感を上げる 

オンライン商談で「顧客の意欲や熱量をいかに上げるか」に難しさを感じる営業は多いと思います。

「一通りプレゼンして勢いでクロージング」が通じず、相手の温度感が上がりにくいためです。

そこで、プレゼンや提案は、あえて「顧客が突っ込む余白」を残しておき、相手の参加度合いを上げる工夫が必要です。

⑦組織の温度感を上げる 

特に法人営業では「関係者の多さ」への対処が求められます。

リアルでの対面の場合は「同席していただいて合意を取る」という方法が有効ですが、オンラインの場合、多くの関係者が一同に介する商談の難易度が飛躍的に上がります。

むしろ、場外戦でどれだけ遠隔の側方支援ができるかが重要になってきます。

⑧クロージング 

「発注するか否か」で顧客が迷う場面です。

相手が在宅勤務中の場合、PCの周囲が日常の「家の中」なので、感情的に購買意欲を引き上げるのが難しくなります。

「お金を使うかどうかの判断」を求めるよりは、「プロセスを前に進めていくうちにいつの間にか受注」となる事前のシナリオ作りが必要です。

⑨ツールの使い方と場面の見極め 

全ての商談を「ウェブ会議システム」で進めていくのは難しいでしょう。

商談フェーズを小分けにして「電話やメールでフォローする場面」も必要になります。

「ウェブ会議システムを使った商談」と「電話とメールのフォロー」をうまく使い分けて、お客様との二人三脚を進めていきます。

二人三脚の伴走型営業による「知的創造活動」の時代へ

以上、今回は「オンライン商談の難しさ」を分解してみました。

オンライン商談では、ノリと勢いでクロージング、通っているうちに仲良くなり契約をいただく…という従来型の営業はかなり厳しくなっています。

しかし逆に、これからの二人三脚の伴走型営業による「知的創造活動」の時代は、特に若手の方々にとってはチャンス到来だと思います。

オンライン商談での「9つの観点」について意識し、行動や考え方を変えていくことで、お客様との二人三脚による伴走型営業を進めていきましょう。

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