経営者相手の営業は、一担当者への営業とはポイントが変わってきます。
私自身、今までたくさんのBtoB事業の経営者に営業をしてきました。
今回は、「BtoB事業の経営者相手への営業」で外してはいけないポイントについてお話しします。
5つの営業ポイント
BtoB事業の経営者向け営業のポイントは5つです。
(1)比較対象は、自社の競合ではなく、お客様社内のトップ営業マン
(だいたい社長かCOOのことが多い)
(2)料金プランを説明するより、費用対効果で語る
(3)提案以外の「おまけ」を用意
(4)案外、値引かなくてOK
(5)訪問後、契約後の初動が命
一つずつ、詳細を説明していきます。
(1)比較対象は、自社の競合ではなく、お客様社内のトップ営業マン
(だいたい社長かCOOのことが多い)
BtoB事業の経営者は、他社の提案と比べるより、「自分(の会社のデキる営業)だったらこうする」と比較します。
そのため、レベルの低い営業に見えてしまうような立ち居振る舞いは、商品説明以前のところで足切りされてしまう可能性が高くなります。
(2)料金プランを説明するより、費用対効果で語る
自社の営業に「表面的な商品説明をするな!」と教育している人物に、「Aプランだといくらでこの機能がついていて…」という営業トークは響きません。
それより、
「これで商談が月●件増えれば、余裕で回収できます」
「一人雇う人件費に比べると、このぐらい得です」
というトークが響きます。
(3)提案以外の「おまけ」を用意
「おまけ」とは、営業を受ける経営者が「その伝え方、いいな」「この資料の見せ方わかりやすい」と感じるような、自社で真似しやすいネタのことです。
私は以前、リーマンショックの頃、「こんな時だからこそ未来に投資を」の明快ロジックを見せてくれた営業の方に感謝しています。
(4)案外、値引かなくてOK
自社の営業に対して「安易な値引きをするな」「価値を理解してもらって、高い価格で契約してもらいなさい」と教育している経営者が、目の前で簡単に値引いてくる営業を見てどう思うでしょうか。
堂々と価値を伝えて、気持ちよく買い物していただくことが大事です。
(5)訪問後、契約後の初動が命
レベルの高い営業は、総じて「釣った魚にえさをやらない」に陥らないよう、フォローに気を配っています。
当然、BtoB事業の経営者自身も、営業レベルが高い人物なので、そこには注目しています。
ここで、私が実際にしている訪問後の初動例を紹介します。
勝負の商談は、訪問後の1時間はスケジュールを空白にしておきます。
その1時間の間に、
●とても丁寧なお礼メール
●その後の素早いアクション
●その素早いアクションをしたことの報告
を行います。
これらはすぐにできるルーチンなので、おすすめです。
見ているのは「営業の行動」
ここまで、BtoB事業の経営者への営業についてお話ししました。
私自身の経験ですが、今まで、新規で導入いただいたお客様に対して「どの瞬間に、発注しようという心が決まりましたか?」と聞くと、BtoB事業を営んでいる経営者は、「自分も営業をやっていたからわかるんだけどね…」というように、「提案の内容」より「営業の行動」に注目していることがダントツで多かったのです。
BtoB事業の経営者は、「どのような営業をしているのか」「どのような行動をしているのか」を、始めから受注決定後のフォローまで、事細かに見ています。
これらは、「提案内容を練りに練る」「値引く」ことよりもずっと重要なのです。
レベルの高い営業が求められますが、「相手から自分がどう見えているか?」「相手はどこを気にしているのか?」を常に意識しながら、自身の「行動」で受注を勝ち取りましょう。