多くの営業マネジャーは「メンバーの失注原因」を掴んでいません。
ほとんどの失注は「自分(営業担当)が悪いと責められないように」という意図がまじった表現で、営業メンバーから報告されます。
例えば、
「提案は響いていたのですが、価格で他社が安く出してきて…」
「担当者は前向きだったのですが、決裁者のOKが出ずに…」
などのように、真の失注要因がぼやけてしまいます。
それでは、営業マネジャーは「本当の失注原因」をどう掴めばいいのでしょうか?
今回はこちらについてお話ししていきます。
事実情報を確認するには決定場面を聞く
営業マネージャーが正確に失注要因を掴むには、主観を排した事実情報が鍵です。
やるべきは「どの瞬間(場面)に当社が落ちたのか?」を担当者に確認させることです。
すると、この瞬間というのは、5パターンしかありません。
①当社の提案直後
②他社の提案直後
③上司の一言
④社内会議
⑤担当者が提案書を一人で見て
そして、これらの失注の決定的な場面を確認するには
●メンバーに(お客様への)質問の仕方を教える
●自分が同席してお客様に聞く
の2通りがあります。
お客様へは「途中までは弊社も検討のテーブルに上がっていたと思うのですが、いつ、どの瞬間に落ちてしまったのでしょうか。差し支えなければ教えていただけませんか?」というように枕詞をうまく使いながら、質問をしていきます。
決定場面を聞く質問のコツ
お客様に失注が決まった場面を尋ねると、ほとんどのお客様は、「えっ…」と当惑されます。
そこで、「たとえば、当社の提案直後に”これはないな”と思われたのか、他社の提案直後にグッときたのか、あるいは上司の方の一言か、どのあたりでしょうか?」と、選択肢をつけて聞くと、お客様も答えやすくなります。
そして、お客様から失注場面を聞きだした後に、 「なるほど、会議でA部長が、そのように発言されて、場が動いたのですね…。では、もし仮に、弊社が提案をXXXのように出していたら、部長の発言は変わっていたのでしょうか?」のように、裏を取る質問で確かめます。
これで、だいたい真の失注原因がわかるはずです。
まず、ここまで失注原因を確かめてくる営業(マネジャー)はいないので、お客様に対しては間違いなく印象に残ります。
これで印象が下がってしまうのは「初めから箸にも棒にもかかっていなかった」案件だけです。
接戦を落としてしまったら、必ずしっかりと失注場面を確認し、二の轍を踏まないようにしましょう。