営業でお客様を訪問し、商談をしているときに、お客様から「安くなりませんか?」と言われたご経験はありますか?
こういった値下げ要請は珍しいことではありません。
そのため、当たり前のように受け取ってしまい、そのまま対応しようとしてしまう方が多くいらっしゃいます。
しかし、反射的に値下げ要請に対応してしまう前に、お客様が発せられたこの台詞の背景を考えてみると、値下げ以外の道が見つかることがあります。
本日は、お客様の値下げ要請の背景に、一体どのようなことがあるのかご説明します。
以下の図は、お客様からの「もう少し安くなりませんか?」の台詞を背景ごとに分析したものです。
まず、一番上のように、「言わないと損だからいっておこう」と深く考えずに言って来られる場合です。
この他のケースは、図の真ん中のように、営業での価値訴求が足りなかった場合です。
この場合、営業の中で訴求された価値に期待できる部分が少なかったため、せめて価格だけでも下げて欲しいという気持ちが隠されています。
また、図の一番下のように、できるだけ利益率を高めるために交渉されようという場合や、特に隠れた意味はなく、本当に値段を下げて欲しいだけの場合もあります。
同じ「もう少し安くなりませんか?」という台詞でも、このように背景は様々あり、背景によって意味合いが変わってきます。
そのため、値下げ要請があったときは、反射的な対応をする前に、台詞の背景をしっかり探り、お客様の背景に沿った対応をすることが大切です。
この”台詞の背景を読むべき状況”は何も営業の場面に限ったものではありません。実は身近な場面でも多々あります。
例えば、図の左を見ると、上司から「最近忙しい?」と声をかけられています。
この「最近忙しい?」のコメントの裏には以下の背景があります。
・部下に頼みたい仕事があるので、状況を知りたい
・最近元気ないように見えるので、飲みにでも誘おうと思っている
・仕事のミスが目立つので、部下の認識を知りたい
これらの背景があり、本当に聞きたいことを聞き出すための台詞の出だしが「最近忙しい?」になります。
このように、台詞には背景がある場合があり、すべての台詞がその言葉通りとは限りません。
そのため、会話を直接の意味だけで捉えず、背景が何かを掴むことが非常に重要です。
お客様から値下げの要請があった場合には、まず本音をしっかり探ることを心がけてください。
そうすることで、反射的な値下げをしないで済みますし、最終的に値下げ以外の方法でお客様にご満足いただける方法が見つかるかもしれません。
また、目的を聞き出すことが出来ると、営業力の向上にもつながりますので、ぜひ意識してみてください。