2024.06.07

お客様の本音を引き出す「核心質問」

営業活動をしていると、お客様の本音がなかなか聞けずに行き詰まってしまうこともあるかと思います。
本音というのはきっかけがないと聞きづらい部分ではありますが、お客様の根っこの部分をヒアリングできると、提案もしやすく、ネックの解消もしやすくなります。


今回はその、「お客様の根っこの部分」を聞き出し、お客様にとっても悩みや困っていることを言い出しやすくなる質問方法、「核心質問」についてお話しします。

ここで言う核心質問とは、お客様の根本的な目的や、ビジョン・ミッションに焦点を当て、「そもそもの部分」を引き出す質問のことです。


お客様の根本的な部分をしっかりと聞き出せると、お客様が目的やビジョンの達成に向けて、なかなか上手くいかないと思っている部分や悩み、困っていることなど、お客様のお困りごとを教えてもらいやすくなります。

核心質問のキー的観念 (1)ビジョン・目標

核心質問のキー的観念は大きく分けて2つあります。

(1)ビジョン・目標に対して
(2)達成するための手段・方法に対して

この2つのキー的概念について、ひとつずつ考えていきましょう。


まず、ビジョンや目標についてです。
この部分がヒアリングできると、細かい手段や条件のお話になる前に、お客様が達成しなければならない大元の部分に話の焦点が当たりやすくなります。

ビジョンや目標についてヒアリングするために、次のようなことを意識して質問してみます。

 

■そもそも、なぜその目標が設定されたのか?

■その目標が設定されたタイミングはずっと前なのか、それとも最近なのか?
→その目標が立てられた経緯や背景を確認できる

■そのビジョンの実現に対してうまく行っているところ、思うように進まないことは?
→ビジョンに対するお客様の感触を確認できる

 

核心質問でお客様が達成しなければならない大元の部分に焦点が当たると、根っこの部分でお客様側が望まれていること、やらなければいけないこと、実現したいこと、そしてその背景を詳しく聞くことができます。


ただし、ビジョンや目標についてしっかりとヒアリングでき、明確にわかったとしても、お客様がそれを実現するための他の有効な選択肢を持っている状況では、自社の提案が刺さらない可能性もあります。

 

その一方で、他の選択肢では目標が達成できず、これから自分が提案する選択肢がお客様にとってしっくりくるものであれば、提案が通る率も当然高くなります。

このように、他の選択肢では目標が達成できない場合に焦点を当てていきたいのが、2つ目の切り口です。

核心質問のキー的観念 (2)達成するための手段・方法

ビジョンや目標を達成するための手段・方法については、次のようなことを意識してヒアリングしてみると、本音を聞き出しやすくなります。

■そもそもなぜ、今のタイミングで新しい方法を検討されているのか?将来ではだめなのか?
→お客様の社内で稟議を通す際、「今でなくてもいいのではないか」という断り文句が出る可能性をあらかじめ探っておき、対処を考えることができる

■自社内で進められない理由は何か?
→内製という選択肢もある中で、外部の提案を受けるべき理由について、説得力を持って提示しやすくなる

■なぜ、現在実行している方法(競合他社)のままでは不十分なのか?新しい取引先を検討している理由は何か?
→その不満に対して、自社の強みや他社との違いを認識してもらい、他社からのリプレイスを図っていく際の指針が立てやすくなる

根っこの部分を聞き出す

今回挙げたような「そもそもの部分」については、きっかけがないとなかなか聞きづらいものです。

しかし、こちら側からお客様の核心部分を質問していくことで、お客様と一緒に根っこの部分を理解することができ、お客様側としても困ったことを言い出しやすくなります。
そして何よりこちら側も、お客様の本質的な悩みに対して提案しやすくなるメリットがあります。

2つのキー的概念を意識して核心質問を積極的に活用し、お客様への理解を深めることで、刺さる提案につなげていただければと思います。

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