質問力を活用できているかどうか? テレアポ の巧拙 はどこで分かれるのか
「質問力」というものは、全ての人が最初から使いこなせるわけではもちろんありません。
毎年4月から5月頃になると、入社したてと思われる新人営業マンからの電話が増えるというのが世の風景かと思いますが、このようなアポ取り電話をして、うまくアポが取れる人とそうでない人がいるかと思います。
私もテレアポをしていたことがありますが、自分が電話をかける立場として思っていたのは、やはり「アポ取り電話はしんどいな」ということでした。
正直、考えるのはやめてとにかく機械的にたくさん電話をかけて、確率論で引っかかるのを待とう、という心境になりがちですよね。
アポ取りだけでなく飛び込み営業もそうですが、数をこなさなければならないようなことをやっていると、どうしても呼吸を止めて我慢するかのように「辛いことを考えるのをストップして、とにかく数をやろう」というモードになってしまいがちです。
もちろん、数を大量にやることはとても重要なのですが、数を大量にやることでそこから成果に結びつく方と、たくさんやれどもやれどもなかなか成果に結びつかない方がいらっしゃいます。
成果に結びつくか結びつかないか、その違いとは?
では、その違いは何があるのでしょうか?
それは、電話や飛び込み営業の際に、「気の利いた一言」や「その場でのちょっとした情報収集があるかどうか」ということです。
以前、あるコンサルティング先で、一年目の営業の方にヒアリングをしていた時に、「なかなか成果が出ません。」という方がいらっしゃいました。
そこで、その場で軽くロープレをしましょうかということになり、私がお客様役、相手の方に営業役をやっていただき、実際私に対して営業をしてもらうことになりました。
実際のテレアポの場面を設定して、お客様役で電話を受けていたのですが、その方のセリフは「なんとかご挨拶だけでもさせていただきたいので、会っていただけませんか?」というものでした。
もちろん、入口のハードルを下げるためにその発言をするのは不自然なことではないのですが、問題はその先がなく、そこだけで終わらせてしまうことの危険性なのです。
一歩突っ込んで質問をしてみたら
電話をかけてきた営業の方から「ご挨拶だけでも」と言われて「いいですよ」という雰囲気になりかけた時、もう一歩何か突っ込んで質問をしてみたら教えてくださりそうなお客様もいれば、「本当に時間がないから迷惑」という感じで、渋々応じてくださるお客様もいらっしゃいます。
こんなとき、前者のお客様は逃したくないですよね。
前者の場合、お客様へこちらから一歩突っ込んで質問してみたら、「こういうサービスの営業を受けていて、今は他の会社のものを使っているけれど、実は不満があるんだよね」と答えてくださるかもしれません。
こういった情報を全く持たないままアポを取り訪問するのか。
それともその情報を持った上で、「他社さんとはこういう部分が違いますよ」ということを言える状態で訪問できるのか。
どちらの方が成果を出しやすいかは明らかです。
ひたすら数をこなし、思考を止めてしまうのは危険
ただ、新人営業マンの方の中には、テレアポや飛び込み営業というものをやるとき、考える部分をストップして「ひたすら数をこなそう」というやり方をする方が一定割合いらっしゃるのも事実です。
もちろん数を多くやってみることは大事なのですが、そこで思考を止めてしまうということはとても危険なのです。
一歩突っ込んで質問をしてみて、何かしらの情報が得られた状態で訪問する。
これを皆さんが営業する現場で実際に試していただくと、少しでも見込みがありそうなお客様と、全然見込みがなさそうなお客様を区別するアンテナの働き方がだいぶ変わってきます。
明らかにこれを意識した瞬間に、「隙あらば少しでも質問したいな」ということを狙いながら一言一言を発することになりますから、お客様の様子に自然と敏感になりますし、雰囲気に注目するようになります。
つまり、お客様の様子に対して「観察する目」が働くようになるのです。
これを一切何も考えずに「とりあえず数だ」、ということだけで機械的にやってしまうと、そのアンテナが全く働かない、ということになってしまいます。
ちょっとした一言や追加の質問を狙う
数をこなして成果につなげていくためにも、ぜひちょっとした一言や追加の質問を狙いながら、営業活動をしていくことをお勧めしたいと思います。
本当に「ご挨拶だけ」ではお客様にとって迷惑になってしまう可能性もありますが、「ご挨拶」の先に、「お役に立つ何か」があることを感じていただける電話であれば、そのアポ取り電話からチャンスが広がっていくのではないかと思います。
お客様へのアポ取り電話や飛び込み営業をたくさんしなければならないような場合には、ぜひ「気の利いた一言」や「その場でのちょっとした情報収集」を意識して、お客様の様子を感じ取るアンテナを働かせてみてください。
少しでも突っ込んだ質問ができ、ちょっとした情報でも教えていただくことができれば、成果につながっていくはずです。