質問力 がもたらす法人営業の革命
質問力 を活用してあなたは激怒されるまで、お客様に質問 したことはありますか?
「えっ?どういうことだ?」と思ったあなたに向けて、実際に私の経験を通じた気付きと学びを、質問力 前編・後編の2回に渡って、お伝えします。
後編では、「お客様がなぜ当社の提案を選ぶのか?」、「勝ちパターンの確立と進化について」、お伝えします。
※前編はこちら
全ての質問 は、「選ばれる理由」に集約される
要するに、質問力 においてそのときやっていたことは、「どんな営業を選びたくなるのかをお客様に聞く」という一言に集約されるものでした。
私はもともと営業 の素人なので、プロセスが1つ進む度に、「何がよかったのか?」をお客様に質問 するようにしていました。
例えば、それまでなかなか具体的な提案までいかなかったのに、提案の機会をもらえたときにはこんな質問 をしていました。
「正直、色々な会社さんに提案しようと訪問しているのですが、提案の機会を頂けるまでに至らないのです。でも、御社は、私に対して提案の機会をくださいました。もしよろしければ、こんなできたてホヤホヤの新しい会社から提案を受けてみようと思った理由を教えて頂けませんか?」と質問 してみたりしました。
もちろん、質問 をしても、全員答えて頂けるわけではありません。もちろん、多くの方からは「こいつ変な質問 してくるなー」と苦笑されました。ただ、何人かに一人は答えてくれました。ここが質問力 において重要なポイントです。
一人でも答えてくれると、「答えてくれる人が一人でもいるということは、チャンスさえあれば聞いた方が得だ」と考えるようになります。アポが取れれば、「なぜ会ってくださったのですか?」と質問 し、ヒアリングをさせてもらえれば「なぜ社内のことをそんなに教えてくださるのですか?」と質問 させていただきました。とにかく、「どんな営業 を選びたくなるのか、その決定的な理由は何なのか?」を、聞いて聞いて、聞きまくるのです。これが質問力 の一つであります。
「激怒されるまで質問する」の先にあったもの
質問力 を活用していくうちに何かのスイッチが入りました。
「お客様に激怒されるまで聞いてみよう」と思うようになり、本当にそう行動したのです。
これをお聴きの皆さんは、
「そんなことしたら、お客様を怒らせてしまうんじゃないの?」
「うっとうしい営業 と思われて、お客様との関係性を悪くするのでは?」
こんな風に思われるかもしれません。しかし、まったく売れなかった私には、文字通り、後がなかったのです。
激怒されても、前に進むんだったらよしとしよう。最初はそんな気持ちでした。
実際に質問力 を活用してみたらどうだったのか。
結論から言うと、激怒するお客様はいらっしゃいませんでした。
きちんとしたビジネスマナーや人としての丁寧な物腰さえきちんとしていれば、
お客様としては「当社のことを理解しようという営業 の姿勢に好感をもつ」
ということがわかってきたのです。
要するに、お客様のことを理解せずにずれたことを質問 として繰り返すから怒らせてしまうのであって、
お客様のことを理解して貢献しよう、という姿勢を保った質問力 であれば、
相手にとっては逆にありがたいのだということに気づきました。
そのうち、このアプローチで1件受注できました。
受注後にすかさず、「他にも良い会社はあったと思うのですが、なぜ弊社に発注頂いたのでしょうか?」と聞いてみました。
「提案がよかったから」という答えが返ってきます。「でも、もう1社も、提案内容はよかったのでは?」と、私は聞き返します。「まあそうですが・・・我々の想いをくみとってくれるという姿勢があまり見えなかったんです」そこで、さらに踏み込みます。「もう1社の営業が不誠実だったということですか?」ここまで聞くと、具体的な答えが返ってきます。「もう1社さんの営業も人柄としては誠実だとは思うのですが、営業のやり方は”自分たちの考え方が正しい”から始まっていて、弊社の事情をくみ取るということをあまりして頂けなかったんです。それに比べて御社は、かなり丁寧にヒアリング(これこそ質問力 です。)をした上で、一緒に作っていこうという姿勢で臨んでくださいました」
このあたりで、「なぜ、お客様は自分から商品やサービスを買うのか」を徹底的に掘り下げていけば、営業 がうまくいくのでは、という感覚が確信に変わっていきました。迷った末に、お客様が営業 を選ぶ最後の決め手は何なのか。とにかくここに焦点を当てた上で質問力 が形成されていくのです。
質問力を活用した勝ちパターンが確立され、さらに進化する
その後は、行動量を増やせば増やすほど、結果がどんどん出るようになりました。
アポも取れるし、コンペも勝てるようになってきたのです。
もし万が一コンペで失注したときには、「いつ決まったのでしょうか?それは社内会議の場で決まったのですか?どなたかの鶴の一声ですか?それとも、他社のプレゼンがすごくよくてその場で決まってしまったのでしょうか?弊社に足りなかったものは何ですか?もし仮にそれが満たせていたら、他社ではなく弊社に発注頂けたのでしょうか?」としつこく聞きまくりました。
ここで、以前に「激怒されるまで質問する」という自分ルールを定めたのが効いてきました。「何が原因で、どの瞬間に失注が決まったのか」がわかるようになるわけですから、具体的な対策が立てられますし、同じ失敗をしなくなります。
それまで、お客様との関係を悪くするのが心配で質問しなかったのですが、実は質問しても「激怒されることはない」ということが腹に落ちてきます。どんどん質問の量が増え、質が上がり、お客様の期待に応えられるようになり、リピート受注もどんどん獲得できるようになってきます。
このレベルまでいくと、コンペで勝ちまくるようになります。勝って、勝って、勝ちまくり、どんどん売れて、自分のキャパシティが溢れるまでお客様が増え続けました。「お客様がなぜ当社の提案を選ぶのか?」がわかった状態で営業をするのですから、当然の結果です。
※前編はこちら