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2024.10.03

クロージングはタイミングが命

クロージングはお客様の熱意が高まったタイミングでしよう

最適なタイミングでクロージングをするには?

クロージングはタイミングが重要です。クロージングのタイミングが早かったり遅かったりすると、商談がもつれてしまいます。今回は「最適なタイミングでクロージングをする方法」についてお伝えします。

クロージングには「最適なタイミング」がある

営業ではよく「自信を持って『買ってください』 と伝えるべきだ」と言われますが、クロージングのタイミングは早すぎても遅すぎても効果がありません。重要なのは「最適なタイミング」でクロージングを行うことです。しかし、多くの営業はそのタイミングを理解せずに提案活動を進めています。

クロージングのタイミングが早すぎると、お客様は「もう少し考えます」と保留することが多く、その結果、決断を先延ばしにしてしまいます。この状況では、営業が焦って値引きに走ることも少なくありません。一方、クロージングが遅すぎると、決定的な瞬間を逃し、案件の検討が長引いてしまうリスクがあります。

そこで、「買ってください」と伝える前に、以下のいずれかの状態を作り出すことが重要です。

  • (A) 競合、保留、内製など、他の選択肢に対して自社の提案が明確に優位である状態
  • (B) 他の選択肢と同等だが、お客様が「今後、自社が単独1位になる可能性がある」と感じている状態

このいずれかを満たしている必要があります。まずは、お客様にとって「魅力的な選択肢」として認識されることが前提となります。

その上で、「もし今お見積もりを出したらどのくらいのスピード感で決まりそうですか?」といった質問で接戦状況を確認します。すぐに決まらない場合、それは接戦案件であり、その場合には、当社の提案がより魅力的になるように訴求する必要があります。接戦状況を正確に把握することが重要です。

戦況は常に変動します。一時的に競合をリードしても、油断していると再び同率の状態に戻ることがあります。これは競合だけでなく、保留や内製などの選択肢に対しても同様です。重要なのは、「接戦から頭一つ抜けた瞬間」を捉え、そのタイミングで「買ってください」と自信を持って伝えることです。

その際、お客様の意思決定のタイミングを見極めることも重要です。例えば、以下のような場面です。

  • 会議の場
  • 誰かが決裁者に上申する瞬間
  • 決裁者が一人で判断する場面

これらの場面を把握し、段取りを整えて、力強くクロージングすることが求められます。

お客様が決められない時は「認知的不協和」を感じ、モヤモヤとした状態になります。人はこのモヤモヤに耐えられない傾向があるため、自社の提案が頭一つ抜けたタイミングで「買ってください」と自信を持って伝えることはお客様にとってもメリットがあります。お客様も「早く決めて、楽になりたい」と思うからです。

クロージングの成功率を高めるためにはチーム全体で接戦案件に注目することが必要です。接戦案件に焦点を当てていると、マネジャーはメンバーに「この商談は接戦かどうか」を尋ね、メンバーも自然とお客様に接戦状況を問う質問をするようになります。また、会議では「接戦の振り返り」をこまめに行うようにしましょう。

「もし仮に」でお客様の本気度を確認しよう

クロージングでは自社の提案やサービスの魅力を高め、お客様が他の選択肢と比べて自社の提案を選びたいと思う瞬間を確認することが非常に重要です。

その際、ストレートに「当社の提案は1番ですか?」と尋ねることも効果的です。しかし、営業では必ずしも他社との比較だけではありません。お客様には内製や保留といった選択肢もありますので、他の要素も考慮に入れる必要があります。

例えば、お客様が今すぐ購入するかどうか迷っているケースもあります。他社との比較であれば予算が確保されており、相対的に他社を上回る提案であれば選ばれる可能性が高いですが、1社だけの提案で迷われている場合、購入の決断を先延ばしにされることもあります。

そのため、単純に「当社の提案は1番ですか?」と尋ねるだけではコンペ以外の状況では効果的ではない場合があります。このようなケースでは、別のアプローチが求められます。

そのような場合、「もし仮に」というアプローチが効果的です。

例えば、お客様が本気でこちらの提案を検討しているのかどうか分からない時があります。「良いと思いますが、他の意見も聞いてみないと…」などと言われると、どう受け取っていいか悩むこともあります。

弊社が扱っているサービスの場合、研修やコンサルティングが含まれるため、プロジェクトの開始時期が重要です。そこで、「もしこれを始めるとしたら、何月頃の開始を考えていますか?」と質問します。これにより、お客様の本気度を確認できます。相手の反応を見て、どの程度真剣に検討しているかを見極めることができるのです。

その際、「すぐにでも始めたい」という返答があれば、それはかなり前向きなサインです。しかし、質問した瞬間にトーンダウンし、曖昧な返事が返ってきた場合、それは自社の提案が一番の選択肢ではない可能性を示しています。

「今この場に時間を使っている理由」を深掘りする

このように接戦状況を確認した結果、まだ自社の提案がトップではないと分かった場合、どうすればよいのでしょうか。

多くの営業が採る手段として、特別キャンペーンや値引きがあります。「今決めていただければ、特別価格で提供します」というようなアプローチです。

しかし、このやり方には大きなリスクがあります。「今決めていただくなら安くしますよ」という手法でお客様の心を変えようとする場合、営業としての引き出しが広がらないのです。

では、どのようにしてお客様の関心を高めていけばいいのでしょうか。

まず考えるべきことはお客様が「今この場に時間を使っている理由」を深掘りしていくことです。お客様も忙しい中、わざわざ自社を選択肢から消さずに残してくれているという事実に着目する必要があります。

「自社を選択肢から消さずに残してくれている」という表現をしましたが、これは非常に重要なポイントです。お客様が「絶対に買わない」と決めているなら、早々に断るか、商談そのものを避けることが多いはずです。しかし、選択肢として消さずに残しているということには何かしらの理由があるはずです。

なぜお客様はこの選択肢を消さずにいるのか?この問いを掘り下げることが、商談の鍵になります。そこにはいろいろな要因がありますが、多くの場合に最大の要因として考えられるのは「お客様が他の選択肢では満たせないニーズを感じているから」です。他の選択肢で満たせるならば、早々に他の選択肢を選ぶはずです。

それは一種の「種」のようなもので、それをいかにして育てていくかが重要になります。つまり、他の選択肢で満たせないポイントがあるならば、それは将来的に自社の提案を選んでいただく理由につながる可能性があるのです。そのため、このポイントを基にお客様に丁寧に話していただき、さらに深掘りしていくことで、お客様の熱意が高まるタイミングが出てくるのです。

そのタイミングで「ぜひ今ご決断いただければ、○○様、あるいは御社にとって最良の選択肢になると思います」とクロージングするのが効果的です。つまり、お客様が「今この場に時間を使っている理由」を話しているうちに熱意が高まったタイミングこそが、最も適切なクロージングのタイミングなのです。

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