提案自体は悪くないはずなのに、なかなか受注に繋がらないと感じることはありませんか?
もしかしたらとその提案は、お客様のイメージとズレがあるのかもしれません。
今回は、営業の方の提案がお客様の認識とズレてしまう理由について解説します。
図1は、営業の方とお客様の頭の中のズレを表しています。
▼営業の方の頭の中
「受注がほしい」
「利益目標を達成したい」
「自社の強みをアピールしたい」
▼お客様の頭の中
「既存発注先の品質には不満がある」
「納期には柔軟に対応してほしい」
「コストを下げたい」
ここからわかるように、両者の頭の中で考えていることにはズレがあります。これらのズレを解消しないままに提案をしようとすると、どうしてもお客様の要件・要望とは違う内容の、刺さらないプレゼンになってしまいます。
例えばここで提案したものが自社の強みだとしても、その強みがお客様の課題や要望にどう結びついてくるのかをしっかりと伝えてイメージしていただけない、お客様に価値が伝わりません。
その結果、どうしてもわかりやすい価格面で他社と比べてしまうのがお客様の真意でしょう。
ズレに対するすり合わせの重要性
こういったズレを避けるためには、提案を出す前にズレの部分をすり合わせる必要があります。
可能であれば、提案書を作成する前に、お客様のお悩みや課題を整理した資料の形で提示出来るのが理想的です。
提案書作成よりも前の段階でこのす合わせ資料を作ることで、図2の左下のように「私はお客様のお悩みや課題についてわかっていますよ」、「そのお悩みや課題に対して、うちはこういう風に貢献できますよ」と示すことができます。
さらにズレを解消させるためには、「提案を作りこむ前に、もうちょっとすり合わせをさせていただけませんか?」と話を持っていくことが大事なポイントです。
すり合わせをせず、お客様の考えとズレた状態のまま提案してしまうと、お客様がその提案をご覧になった際に、「ちょっとうちが望んでることと違うな」「うちが困っている事とは違うな」と思われてしまいます。
いくら自社のサービスや製品の強みをアピールできたとしても、その強みがお客様の悩みやご要望に沿っていなければ、受注につなげることが難しくなってしまいます。
提案の前に認識のすり合わせをしっかりするというこのひとプロセスが、提案の成果を大きく左右します。
提案の前にしっかりとヒアリングし、お客様の頭の中を整理したうえでそれに沿った提案ができるよう、ズレを防ぐ「すり合わせ」を、ぜひ提案活動の中で意識していただければと思います。