営業の方から「決裁者同席アポの設定が難しい」という相談をよく受けます。お客様担当者に「次回、上長の●●様に同席いただくことは可能ですか」とストレートにお願いすると、先方キーマンの感情としては「わざわざ同席するのか」となってしまいます。それを避けるために「右腕のボトルネック」から先にヒアリングする方法をおすすめします。
注目すべきは右腕のミッション
「本来であれば現場で対応してほしいこと」にキーマンが呼び出されると、その時点でキーマンのマイナス感情が発生し、担当者の評価が下がってしまいます。したがって担当者も気が進まず、そこを無理に押して同席アポの設定を依頼しても、なんだかんだ理由をつけて回避されてしまいやすいのです。
注目すべきは「キーマンが、その右腕となる人物に、どんなミッションを課しているか」ということです。いったん自社サービスの話は横に置いて、そこをヒアリングしましょう。
往々にして、キーマンの右腕は信頼されているため仕事が集中しており忙しいものです。そのため、キーマンから依頼されていることのうち、いくつかは停滞しがちです。キーマンとしては、その停滞を解消してほしいですよね。「右腕の人物が抱えている仕事が進まないのであれば、それはサポートしたい」という心情を持っているはずです。
右腕のボトルネックと提案を接続する
そこでキーマン同席アポの設定は、この文脈につなげられるかどうかが鍵になります。お客様の文脈をつかみ、当社サービスの提案より「右腕のボトルネック解消」から入るのです。
そうすると、知っておくべきは
●キーマンにとっての右腕はどなたか
●右腕にはどんなミッションが与えられているか
●その優先順位や進捗具合はどうなっているか
●どこに停滞が発生しているか
●どうすればボトルネックが解消できそうか
のような内容です。これらを、当社サービスの検討を進めることと「接続」していきましょう。
少し裏技的になりますが、先方の社内会議にこちらが参加するというアプローチもあります。キーマンと右腕との間では、定期/非定期にミーティングが行われています。新しく同席アポを設定するよりも、「キーマンと右腕との間で行われているミーティングに、一部(の時間帯)同席させていただく」というのも一つのやり方ですよ。