法人営業に使えるウケる持ちネタをどう作るか
営業の現場で使える「ウケる持ちネタ」、いくつ持っていますか?
「ウケるネタ」と言っても、笑いが取れるネタのみを指しているのではありません。
お客様に「響く」「インパクトがある」「感謝される」という話題のお話です。
私は、コンサルティングや研修の現場で営業に関して多くの方々とお話をします。その中で思うのが、同じ話を同じ表現でテンプレートのように繰り返し使う営業の方が意外と多いということ。一方で、パフォーマンスの高い営業の方々にフォーカスすると、多くの方がお客様をがっちり掴むトークの「引き出し」を豊富に持っています。
営業の現場で勝率を上げていくために「ウケる持ちネタ」のレパートリーを増やしましょう。
「ウケる持ちネタ」を増やしていくにはどうすればいいのか、説明したいと思います。
「一軍・二軍・三軍」とは?
まずは営業の現場で使える話のネタを、ランク分けしていきましょう。
それぞれのランクのネタを持っていますか?
★一軍
営業の現場において、ほぼ100%ウケる、100%響くとわかっているようなネタを指します。
例えば、私はコンサルティングや研修の現場で、営業の方々に対して「困っていないんじゃないんですか質問」というネタを紹介しています。
相手の課題や悩みを聞くときに、「御社のお困り事はありませんか?お悩み事はありませんか?」と質問しても、心を開いていない相手は「特にないですよ」と返してきます。
しかし、「御社みたいな会社に困っている事なんか別にないんじゃないですか?」と質問すると、「実は、、」と話が続きヒアリングがしやすくなる、という現象があります。
私はこのようなネタを自分の営業やコンサルティングの現場で、数百回以上話してきています。
それだけ話していると、話すたびに一定の反応があるとか、熱心に吸収しようとしてくださるとか、話した際の反応の傾向が出てきます。
そうしているうちに、自分の持ちネタの中で「ウケるネタ」が何なのかがわかってくるのです。
これが一軍ネタです。
★二軍
営業の現場で何度か使ったことはあるけれど「聞く方によって、反応はまちまちだな」というネタです。
話したときにそれが響くお客様もいらっしゃれば、響かないお客様もいらっしゃる。
一軍にするには勝率に欠けるのが二軍のネタです。
二軍のネタは、勝負どころで出すのには躊躇します。
一方で、営業の現場で積極的に二軍を試していくことが、一軍を増やすポイントでもあります。
★三軍
初めて出すネタや、お客様に響くかどうかまだ確信が持てていない状態のネタです。
お客様に対して、事例として出してみようとか、何か新たに訴求をしてみよう、という際に、初めて出すレベルのネタは三軍と定義します。
二軍を増やすためには、三軍を一定回数試していかないといけません。
自分の話のネタに、一軍、二軍、三軍というラベルを付けてみると、トークが非常にスムーズになります。
数々のお客様にお話をしてきて、「これはけっこう響くな」とわかっているネタには自分の中で「一軍」と名付けておき、何か困ったときや勝負どころの場面では一軍のネタを出すことができます。
この一軍を持っておくと、その直前に二軍や三軍を出すことができます。なぜかというと、「必ずウケる」とわかっているネタが後に控えていれば、その前に多少外したとしても、リカバリーが効くからです。
一軍のネタをなるべく増やす
私は営業の仕事や人前でお話しする仕事の場面で、とにかく自分のネタへの反応を気にかけています。
「結構ウケたな。これは初めて出したネタだけど三軍から二軍に昇格」
というようにラベルを付けていくのです。
その上で、お客様との関係性や場面に応じてネタのランクを使い分けます。
絶対に勝ちたい商談やプレゼンに臨むときには、一軍のネタを数多く用意しておきたいですよね。
そのためには一軍のレパートリーを増やしておかなければいけません。
一軍を増やすには、二軍のネタをたくさん使って精査していく必要がありますので、お客様に対する「貸し超」「借り超」の概念を活用して、二軍のネタを出す場面を図ります。
関係性ができている、いわゆる「貸し超」のお客様に対しては、新しい話を出してみたり、響くかどうかわからない事例を訴求してみたり、積極的に二軍や三軍のネタを使っていきます。
一方で、関係性があまりできていない「借り超」のお客様や、難しいお客様には一軍で勝負をします。
一軍で勝負するには、一軍のレパートリーがしっかり揃っているというのが大事です。
しかし、ほとんどの営業の方は明確な意図をもって一軍のネタを増やすということをされていません。
すると、難易度の高い「借り超」のお客様に会ったときに、なかなか響かない、突破できずに行き詰ってしまうということが起こります。
普段から「貸し超」の関係にあるお客様とのトークで一軍を増やしておきましょう。
レベルの高いお客様に対してアプローチする術を持ちたい、響くようなトークをしたい、という方は、ぜひこの「一軍・二軍・三軍」というラベル付けを取り入れていただいて、ご自分のネタの棚卸しをしながら幅や引き出しを増やしていくということを意識していただきたいと思います。