質問力 「一つだけ聞いていいですか?」作戦とは何か。
営業の現場において、とにかくお客様の状況をヒアリングする、情報をいただくために質問する、ということを念頭においていらっしゃる方が多いかと思います。
とはいえ、質問をしてもなかなかお客様から教えてもらえない…質問するのに躊躇してしまう…とお悩みの方もいらっしゃるのが現状です。
そこで今回は、言い回しを覚えるだけで確実に聞ける項目が増える、「一つだけ聞いていいですか作戦」についてお伝えします。
切り出し文句を用意しておく
聞きづらいことを聞く際の切り出し文句として、覚えておいていただきたい2つのフレーズがあります。
「最初に一つだけよろしいですか」
「すみません。あと一つだけ聞いていいですか」
例えば、競合状況を知りたいけれど聞いても教えてもらえない気がする、雰囲気的に聞きづらい質問がある、質問できないまま商談が終わってしまいそう…。
そんな時は、聞きづらいという気持ちに負けずに、「すみません、あと一つだけ聞いていいですか」と切り出してみてください。
このように質問するきっかけを作ると、聞きにくかった競合の状況を質問をしたり、デリケートな予算の話についても話題にできるかと思います。
「聞いても大丈夫」な雰囲気に
初めてお客様を訪問した時、お客様から情報を引き出す前に、「まず御社のご紹介を」「とりあえず説明してください」「まずはプレゼンを…」と話すことを求められたらどうしますか?
お客様の状況も課題もわからず情報が少ないと、刺さるトークがしづらいし、そもそも何が刺さるのかイメージが持てません。もっと情報をいただいてから話をしたいと思いますよね。
このような時には、「最初に一つだけよろしいですか?」と言ってみてください。
一つだけと言われたら、相手はなかなかノーとは言えないものです。
そして、「一つだけいいですか?」と切り出してお客様がお答えくださると、二つ目、三つ目を聞いても大丈夫な雰囲気になるのです。
それが、この作戦の大きなポイントでもあります。
例えば「一つだけいいですか?」と言ってから、「この場に臨まれている目的や、背景についてちょっとお伺いしたいのですが…」と質問をします。
それでお客様が話してくださったら、「今おっしゃったのは◯◯ということでしょうか」と追加で質問をしても、不自然な雰囲気にはならないですよね。
このように、切り出し文句できっかけをつくって、質問して、回答いただき、さらに質問を重ねることができます。
散々質問した後の「最後に一つだけ」
「一つだけ聞いていいですか」のフレーズは、聞きづらい質問をするため以外にも、有効な場面があります。
質問力を駆使して、お客様から多くの情報をいただけたとします。
しかし、知りたいことは尽きないですよね。
「もっと聞きたいけど質問攻めになってしまうようで気が引けるな。お客様も疲れてきたかな。」という時にも「すみません、最後にあと一つだけよろしいでしょうか」と言ってみましょう。
今まで散々質問してきたものの、あと一個だけ聞きたいな、という心苦しさに対しても有効な切り出し文句となってくれます。
(うまくいけば、この後にも質問を重ねていくこともできます)
「一つだけ」という言葉は魔法の言葉です。
これを使うことによって、営業する側も質問しやすいですし、お客様もついつい答えてくださいます。
営業の現場において、お客様に質問したいけど、判断に迷うという場面で、「一つだけ」というこの魔法の言葉をぜひ使ってみてください。