2024.06.04

「深堀り質問」5つの代表的な壁

「営業は話しすぎず、商談における会話の8割はお客様が話すぐらいが理想」と言われます。

そのために「深掘り質問」は重要です。

しかし、この深掘り質問がなかなか難しく、最適な会話のリズムを作れずに悩む営業の声を聞くことが多いです。

このお悩みについては、5つの代表的な壁とその乗り越え方を知っておくと便利です。

壁1:不安から話しすぎてしまう

間や沈黙を恐れたり、お客様につっこまれるのを懸念してしゃべりすぎてしまう営業は少なくありません。

原因は「不安」にあります。

この壁を乗り越えるには、練習と実践の方法を工夫する必要があります。

まず、練習では「営業が(●秒以上)話し過ぎたらその場で止める」方式のロープレを行います。

実は「どのぐらい話し過ぎたらNGか」の境界線を体感覚で持っている営業は少ないです。

周囲から見たらしゃべり過ぎでも、本人は気づかないことが多いため、まずロープレで時間感覚を体に刻みます。

そして商談では、いきなり接戦案件ではなく、慣れるまで楽勝案件や惨敗案件で、練習した体感覚を実践します。

壁2:どこを深掘りしたらいいかわからない

お客様の台詞に対して、どこを掘るべきかわからないと、「いちいち深掘りしていたら商談が前に進まないのでは」と思いこんでしまいます。

その場合、うっすらと「ここは聞いたほうがいいのかな?」と感じていても、その場で聞かないので会話が流れてしまいます。

深堀りポイントの例
●背景やきっかけ:「事の発端は〜」
●急激な変化:「最近、〜のようになった」
●理想と現状のギャップ:「本当はXXしてないといけない」
●循環構造:「いつもXXが起こっている」
●組織間の不一致:「人によって意見が分かれている」
●個人的感情:「正直、戸惑っている」

壁3:言い回しのバリエーション

自分が使える深掘り質問の種類が少ないと、会話が単調な一問一答になってしまいます。

バリエーションは広げておきたいです。

「と、おっしゃいますと?」「具体的には?」「なぜでしょうか?」「他には?」あたりは基本ですが「今の、もう少し詳しく伺えますか?」も便利です。

「疑問文を使わない(実態としての)質問」もあります。

それは、相槌による促しです。

●なるほど、そうなんですか
●XXということなんですね

このような相槌を打って、その後に自分の台詞を続けなければ、お客様がさらに追加で言葉を足してくれます。

相槌による深掘りができると、会話が自然なリズムになります。

壁4:どこまで深掘りするかの迷い

営業の商談において「どのぐらいまで深掘りすべきか」の判断が難しいという声もあります。

基本的には「もっと聞いてもよいところで、勝手に自分から止めてしまう」営業がほとんどなので、実際は「自分が思っているより、もっと深掘しても大丈夫」ではあるのですが…。

深掘りが順調にいったとき、その後のシナリオは限られています。

●お客様が話しているうちに自分で核心に気づく
●お客様が話しているうちに情報が整理される
●お客様から「具体的にこう助けてほしい」というリクエストがくる

この3つのどれかを着地点としてイメージしながら深掘りをしていくとよいでしょう。

壁5:深掘りしきった後の返し方

営業としては「聞くだけ聞いたが、その後にきちんと対応しないと失礼になってしまうのではないか」という不安があります。

それは「深く聞いた分だけ、対応のハードルが上がる」という思い込みですが、実は真逆です。

深く聞かず(お客様の理解が浅い状態で)提案をする方が危険です。

ただ、深く聞く際のリスクヘッジは知っておいたほうが安心です。

それは「全て応えられるかはわかりませんが、お客様のことをきちんと理解したいので伺いたく…」の枕詞をつけて聞くことです。

最後は「伺ったことについて、弊社でお力になれること・なれないことを整理して、提案を持って参ります」と締めます。

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