「営業脳」と「顧客脳」。
ほとんどの方は、2つのモードが分断されています。
例えば、服を買いに行ったとき。
店員から「試着できますよ!」と迫ってこられたら、ほとんどの人は引いてしまうでしょう(顧客脳)。
しかし、いざ接客する側になると、ほとんどの人が「試着できますよ!」と迫る営業をしてしまうのです(営業脳)。
「営業脳」と「顧客脳」が分断されておらず、自在に行ったり来たりできるのが、お客様からすれば「わかってくれる営業」ということになります。
買う側としての体験を蓄積する
営業センスを磨きたいのであれば、買う側としての体験を五感で蓄積するのがよいでしょう。
「素晴らしい営業」と「ガッカリ営業」とを両方体感できるまで比較するのがコツです。
何社も比べて検討するのが良いのですが、これは、「何人ものガッカリ営業に出会った後、わかってくれる営業にようやく出会ったときの感動」を全身で感じるためです。
顧客として素晴らしい営業に出会ったときの感動はとてつもありません。
いざ自分が営業になったときの成功イメージを、「顧客脳」のモードで身体に刻みこみます。
逆に、「素晴らしい営業に出会った後、他の営業に落胆する」というケースもありますが、これもまた貴重な学び体験です。
いざ自分が営業をする際、自社の後にまだ競合がくるときに、どんな痕跡を残しておくべきかの参考になるからです。
素晴らしい営業に必ず聞いていること
私は、自分が買う側として素晴らしい営業に出会ったとき、必ず聞いていることがあります。
それは、「どんな過程を経て現在のようなレベルになったのか?」ということです。
上司に教わったのか、会社の研修がよかったのか、素晴らしいお客様との出会いがあったのか。
今までいただいた回答に一つの正解はなく、バラエティーに富んでいました。
「買う側の体験」は本当に奥深いものです。
少し体験するだけでももちろん勉強になりますが、どっぷり浸かって「買う側から見えている世界」を体感覚で理解できるようになると、営業のセンスやスキルは大きく伸びます。
だから私は、今でも新規の営業をしばしば受けていますし、身銭を切った買い物をするようにしています。