コンペで競合が圧倒的に安い価格を出してきた場合、どうしたらいいでしょうか。
多くの営業現場では「価格で戦うな」「品質や価値を理解してもらえ」と指示が出されます。
その解像度をもう一段上げてみましょう。
ポイントは以下の3点です。
①購買決定要因に発見が生まれる議論をする
②スピードと回転数を上げる
③切れない理由を言語化する
購買決定要因に発見が生まれる議論をする
まず大前提として、泥試合にならず自社の価値を理解していただけるのが望ましいですし、コンペ以前に自社一択で進むのが理想です。
仮に相見積もりでも、他社より先にお客様と関係を構築しておきたいものです。
これは建前論としては確かにそうなのですが、営業組織が大きくなってくると、接戦コンペも増えざるを得なくなります。
接戦コンペで競合が捨て身の安値提示をしてくるとき、価格勝負にならないよう「品質や機能は当社の方が上です」とアピールするだけでは心もとないです。
まずは、お客様が判断基準(購買決定要因)をどう考えているかをヒアリングする必要がありますが、その際には、「網羅感」「具体化」「優先順位」の角度から質問します。
網羅感:考えるべき点に抜け漏れはないか?
具体化:求める基準は十分具体的になっているか?
優先順位:トレードオフは正しく理解されているか?
3つの観点で議論を深めていくとお客様側に「発見」が起こります。
以前は見えていなかったことが、当社との議論により見えてくる。
この瞬間を作り出せるかどうかです。
購買決定要因に発見を生み出せれば、「安かろう悪かろうではお客様の購買基準を満たせない」ということが明確になります。
スピードと回転数を上げる
また、いわゆる無形商材の企画要素が強い提案であれば、「スピードと回転数」も武器になります。
これは以前「提案書に表紙を付けない https://bit.ly/2T6ZmD5 」でもお話しましたが、「スピードと回転数」は客観的な数字で表せるため、価値を認識しやすいのです。
●提案が出てくるまでに10日 VS 3日で出てきた
●提案のブラッシュアップは1回 VS 再提案3回
私は以前「他社は何日サイクルで提案をブラッシュアップしてくるか」という質問をよくお客様にしていました。
多かった答えは「7〜10日」でした。
例えば他社が10日サイクルで再提案なら、2日で出せばスピード5倍、1日で出せば10倍です。
「提案を出す日」の当日と翌日はなるべく時間を空けるようにして、「再提案のスピードと品質でいかに圧倒するか」の段取りを組んでおきます。
金額の大きな商談は、1日に2回、あるいは週に3回のアポなどをもらっていました。
切れない理由を言語化する
価格以外で他社に圧倒的な差をつけていても、「やはり最後は価格で…」と言われるのは避けたいです。
そこで、お客様に聞いておくべき質問があります。
「他社さんは、当社の1/3の値段で出してこられているんですね。では、なぜ、そんなに安い会社がありながら、当社をまだ切らないのですか?」
この答えをお客様の口から聞き出せたら、徹底的に深掘りします。
●それはなぜか?
●一体どういうことか?
●切れない理由は他にもあるか?
これを、とことんまで聴いていきます。
「切れない理由」をしっかり言語化し、お客様との間で確認するのです。