営業に苦手意識を持つ人が「営業を楽しい」と思えるようになるためには、営業らしい「キャラクター」「立ち居振る舞い」「マインド」「スキル」から一度離れてみることをおすすめします。
「お客様は営業をどう選ぶのか」の仮説検証に集中すると、思ったより「営業は多様で、型にはまったものではない」ことに気づきます。
今回は「お客様が営業をどう選ぶのか」について解説いたします。
コロナで変わる前提条件
「営業は多様でOK」と言われても、「とはいえ、絶対に押さえるべきポイントはあるのでは?」と思う方も多いはずです。
その答えは「”顧客脳”を身に着けて、お客様とのズレをなくす」につきます。
多くの場合、営業と顧客はズレています。
これまでは、「ズレていても売れた時代」があっただけで、コロナで前提が変わるのです。
コロナによる大きな変化。
それは「顧客側の力が圧倒的に強くなった」ということです。
●テレアポや飛び込み、無駄な商談を拒絶しやすい。嫌な営業はシャットアウト
●Webに情報が溢れていて、無料ウェビナーもたくさんあり、選び放題。皆が安売りしている
●「コロナの影響で予算が…」を枕詞に、良い条件で買い叩ける
このように顧客の力が圧倒的に強くなると、営業に求められるハードルが上がります。
今まではノリと勢いでも契約をいただけましたし、足繁く通っていれば、お客様との関係も築けました。
多少ズレていてもゆるりと許されていたかもしれませんが、これからはズレている営業は選ばれなくなってきます。
そんなシビアな世界で生き残るのは「わかってくれる営業」です。
顧客が過去に出会った中で”最高”だと感じた営業の特徴は、「わかってくれる営業」という回答がダントツです。
もちろん、提案力もスピードも誠実さも臨機応変な対応も熱意も商品知識も…いずれも大事です。
ただ、それだけでは差がつきません。
そこでこれからは ”顧客脳”を身につけ、「わかってくれる営業」を目指しましょう。
スタイルは多様で構いません。
顧客脳とはどういうことか?
では、”顧客脳”とはどういうことでしょうか。
わかりやすい例を挙げてみます。
●顧客の側に立つと、試着を押し付けてくるアパレル販売員は皆が嫌がるのに、
●営業の側に立つと、「試着しませんか」で迫る販売員がほとんど
”顧客脳”とは、情報ギャップやバイアスに左右されず、顧客の思考回路をトレースして、営業活動に反映する力のことです。
これからは”顧客脳”を身につけ「わかってくれる営業」になることが、営業として成功する必須条件だと言えるでしょう。