コンペ提案の際、競合の情報を聞きたいと思っても、うまく聞くことができない方も多いのではないでしょうか。
営業マネジャーの方からも「うちのメンバー、お客様に競合のことを聞くのが苦手で…」というお悩みをよく耳にします。
「そもそも競合について聞くのをためらってしまうパターン」と、「勇気を持って聞いてみたものの、はぐらかされてしまうパターン」が多いようです。
今回は、この2つのパターンをどちらも解消できる方法についてお話します。
質問のハードルを下げる「枕詞」
まず、そもそも聞くのをためらってしまう方にお勧めなのは「枕詞」です。
質問の初めに一言添えることで、聞くハードルを下げてくれます。
コンペで競合の社名を聞く際にお勧めなのは
「差し障りのない範囲で伺いたいのですが、今回、当社と比較検討されているのはA社さんとかB社さんですか?」
という質問です。
最初の「差し障りのない範囲で伺いたいのですが」の部分が枕詞ですね。
ただし、この枕詞の選び方は、民間企業向けと公共向けで少しコツが違ってきます。
民間企業向けのコンペ提案の場合は、「差し障りのない範囲で…」でも問題ありませんし、他にもあれこれ変えてみながら、自分なりにうまく聞ける枕詞を探してみましょう。
一方、公共向けの場合はガードが固く、「公平性の観点で言えません」と言われてしまうことがあります。
その場合には
「公平性に支障ないよう、社名だけ伺いたいのですが」
という枕詞を試してみてください。入札時期のあるタイミングになると、コンプライアンスの観点で「完全にNG」なケースもありますが、そうでない時にはこの「公平性に支障ないよう…」という枕詞でいろいろと試してみると、他社情報を教えてくださるお客様もいらっしゃいます。
また、お客様が複数名で商談に参加されている時など、周囲を慮って「社名は控えます」とおっしゃることもあると思います。
その場合には商談の後、個別に電話してみると教えていただける場合もあります。
この個別に電話する方法は、情報を得られる可能性があるにも関わらず、意外とやらない方が多い方法です。
選択肢付きクローズドクエスチョンの「選択肢」のコツ
そして、枕詞に続く質問の仕方にもコツがあります。
「他はどこと比較されていますか?」など「オープンクエスチョン」で質問すると、反射的対応で教えていただけないこともあるでしょう。
確実に聞き出したい時は、
「A社とかB社ですか?」
など、「選択肢付きクローズドクエスチョン」で質問するのがお勧めです。
ただし、その時に並べる社名が鍵になってきます。
ここで社名を出したことで、「その会社にも声かけてみるか」となってしまう危険もあるため、圧倒的に自社の勝率が高いような競合を選んでおかなければいけません。
どの社名を出すかはマネジャーが予め教えて、仕込んでおく必要があります。
「枕詞」プラス「選択肢付きクローズドクエスチョン」の組み合わせをうまく使いこなせれば、競合の情報について教えていただけるようになるはずです。